Veoh

Veoh（ヴィオ）とは

Veoh（ヴィオ）は、かつて存在した動画共有サイトです。ユーザーが動画をアップロードし、共有できるプラットフォームとして、独自の機能と特徴を持っていました。

特徴

Veohの最大の特徴は、専用のVeohプレーヤーを利用することで、テレビのようなフルスクリーンで高画質な動画を視聴できた点です。これは、当時の他の動画共有サイトと比較して、非常に魅力的な点でした。また、アップロード方法も2種類あり、専用プレーヤー経由とブラウザ経由のどちらかを選択できました。どちらの方法でもユーザー登録が必要でした。

アップロード可能な動画ファイル形式は非常に多岐にわたり、AVI、WMV、QuickTime(MOV)、MPEG4(DivX, Xvid)などに対応していました。動画の容量は無制限で、1GB近い大容量ファイルもアップロード可能でした。Veoh側も100MB以上のファイルを推奨しており、実際に800MB程度の動画も存在していました。

Veohのもう一つの特徴は、アップロードした動画を「YouTube」「Google Video」「MySpace」に自動的に同時投稿できる点でした。これにより、ユーザーは一度のアップロードで複数のサイトに動画を公開することができました。この機能を利用するには、各サイトのアカウントとVeoh Proへの登録が必要でした。

動画は基本的に無料で閲覧可能でしたが、30分以上の動画を視聴するには無料会員登録が必要でした。また、VeohはP2P技術を活用し、大容量動画のダウンロードを容易にしていました。ダウンロードした動画はiPodなどの携帯プレーヤーでも再生が可能でした。

しかし、他の動画共有サイトと同様に、著作権侵害の問題も抱えていました。誰もが自由に動画をアップロードできるため、著作権で保護されたコンテンツの無断アップロードが後を絶ちませんでした。

その他の情報

ディズニーの元CEOであるマイケル・アイズナーがVeoh Networksの取締役を務めていたことは、当時注目を集めました。また、Veoh Networksは、ゴールドマン・サックス、タイム・ワーナー、Intel Capitalなどから総額7億ドルの出資を受けていました。

Veohから動画を保存する場合、VeohTV(Veoh Web Player)経由では.mp4や.avi形式で保存されることがあります。これは、アップロードされた元の動画ファイルをそのままダウンロードするためです。一方で、他のサイト経由で保存すると.fll形式で保存されます。これは、.flv形式から派生した形式で、Veohの仕様変更によるものです。実際には、ビデオコーデックにH.264を用いたFlash Videoの一種です。当初は対応プレイヤーが限られていましたが、後に多くのプレイヤーやコーデックに対応しました。

Veohの読み方は、一般的に「ビオ」または「ヴィオ」とされます。

歴史

Veohは、2004年にドミトリー・シャピロによってカリフォルニア州サンディエゴで設立されました。

• - 2005年9月: Windows、Mac対応のビデオソフト「Veoh」のβ版を公開。
• - 2006年3月: Webサイト「Veoh.com」のベータサービスを開始。
• - 2007年2月13日: Veohを正式に公開。
• - 2010年2月11日: 創業者ドミトリー・シャピロが経営破綻を発表し、連邦倒産法第7章に基づく倒産処理手続きを開始。
• - 2010年4月8日: イスラエルの企業QlipsoがVeoh Networksを買収し、運営を継続。
• - 2013年: FC2がVeohのサイト運営権を譲受。
• - 2014年11月: iOS版Veohアプリをリリース。
• - 2024年11月11日: FC2動画に吸収統合され、Veohのサービスが終了。

関連情報

Veohは、動画共有サービスの歴史において重要な役割を果たしました。その独自性と革新的な機能は、後の動画配信サービスに大きな影響を与えました。サービスは終了しましたが、その足跡は今もなお、記憶されています。

関連項目
動画共有サービス
FC2動画

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