Vodafone 702sMO

Vodafone 702sMO（ボーダフォン ナナマルニ エス エムオー）

Vodafone 702sMOは、モトローラが開発し、ボーダフォン日本法人（現在のソフトバンクモバイル）から発売されたW-CDMA方式の携帯電話端末です。Vodafone 3G（現SoftBank 3G）サービスに対応しており、姉妹機種としてVodafone 702MOが存在します。海外ではMotorola C980という名称で販売されていました。

主な機能

この端末は、当時の携帯電話としては標準的な機能を備えていました。

着うた、3Dオーディオ: 音楽再生機能に対応し、3Dオーディオによる臨場感のあるサウンドを楽しめました。
Vアプリ（現S!アプリ）: アプリのインストールが可能でしたが、メガアプリやQVGAには非対応でした。
TVコール: テレビ電話機能に対応していました。

外観上の違いとしては、サブ液晶の有無などが挙げられますが、基本的な機能や性能は姉妹機種の702MOと共通していました。

評価

702sMOは、コンパクトなストレートタイプのデザインが高く評価されました。しかし、機能面では多くの問題点や不具合が指摘され、結果的に評価は非常に低いものとなりました。

主な不具合点

スティックの誤操作: 中央のスティックが誤操作しやすく、使い勝手が悪いという声がありました。
メールアドレスの問題: メールアドレスやURLにアンダースコアが入力できない仕様でした。また、メールアドレスのアットマーク直前や左側にピリオドが連続している場合、メール送信ができませんでした。これはRFCの規定上は正しい動作ではあるものの、NTTドコモのiモードメールではそのようなアドレスが利用可能であったため、iモードユーザーの一部がスパム対策として利用しており、結果的にメールが送れない相手が出てしまうという問題が発生しました。
HTTPリクエストヘッダのUser-Agentの問題: ユーザーエージェント名が海外モデルのC980のものをそのまま送信していたため、Webサイト側で携帯電話からのアクセスと機種を判別できず、サイトの利用に支障をきたすケースがありました。特に、”J-PHONE”や”Vodafone”という文字列が含まれていなかったため、携帯電話からのアクセスであることを判別できませんでした。
端末個体識別情報の問題: IMEIなどの端末個体識別情報を送信できない仕様だったため、認証を必要とするWebサイトが利用できませんでした。
PC連携ソフトの不具合: 付属のPC連携ソフトに、インストールするとハードディスクのデータがすべて消えるという致命的な不具合がありました。

これらの不具合の中でも特にPC連携ソフトの問題は深刻で、一時販売停止となる事態となりました。その後、改修されたソフトが送付され、本体の一部も修正されましたが、最終的に端末の販売は終了し、発売後数ヶ月でカタログから姿を消しました。

その他

SIMロック解除: SIMロックの解除が容易であったため、一部で即解約や海外転売の対象にもなりました。

これらの問題点は、姉妹機種であるVodafone 702MOにも共通していました。

関連情報

ソフトバンクモバイルの端末一覧: ソフトバンクモバイルが過去に販売した端末の一覧。
SoftBank 201M: 702sMOから約8年後にソフトバンクモバイルに投入された端末。

外部リンク

Vodafone 702sMO
* ケータイ新製品SHOW CASE ボーダフォン 702sMO

Vodafone 702sMOは、デザイン面では評価されたものの、機能面の不具合が目立ち、短命に終わった携帯電話端末でした。この端末の教訓は、機能と品質の重要性を改めて認識させるものと言えるでしょう。

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