Vodafone 804SS

Vodafone 804SS（ボーダフォン804SS）

Vodafone 804SSは、2005年にボーダフォン日本法人（現ソフトバンクモバイル）から発売された、サムスン電子製のW-CDMA/GSM方式に対応した携帯電話端末です。この機種は、サムスンが日本市場向けに初めて開発したモデルであり、韓国で発売されたSGH-Z540をベースに、日本向けの改良が施されています。

特徴

804SSの最大の特徴は、その薄さです。発売当時、第三世代携帯電話としては世界最薄となる14.9mmを実現しました。この薄型ボディに加え、背面にはミュージックキーが配置されており、デジタルオーディオプレーヤーとしての利用も容易です。また、WordやExcelなどのドキュメントビューアが搭載され、ビジネスシーンでの利用も想定されています。内蔵メモリも当時の端末としては大容量の140MBを搭載し、多くのデータを保存することができました。ただし、外部メモリ（メモリーカード）には対応していません。

ユーザーインターフェースは、従来のボーダフォン海外機種とは異なり、日本市場のニーズに合わせて開発されています。これは、海外版ではサムスン独自のUIが採用されていたことからの大きな変更点です。

評判

804SSは、その薄さにおいて当時の携帯電話の常識を覆したとして、高い評価を受けました。しかし、赤外線通信(IrDA)が非搭載であったり、マクロ撮影ができなかったりと、一部機能の欠如に対する不満の声もありました。一方で、ユーザーインターフェースは、従来の海外端末とは大きく異なり、多くの国内端末に似た仕様になっている点や、ムービーメニューなど独自の機能が追加されている点が評価されています。デザイン面では、モトローラの人気機種RAZRとの類似性が指摘されることもありました。

不具合

発売当初、804SSにはいくつかの不具合が確認されていました。具体的には、連結されたSMSが開けない、MMSの件名によっては本文が開けない、着信通知が表示されているとメイン液晶の時計表示が止まる、vCard/vCalendarの取り込み不良、データフォルダの並べ替えが保存されないといった問題です。ボーダフォンはこれらの不具合に対し「全て仕様」と回答し、不具合に納得した購入者のみに販売していました。

その後、2006年5月頃にソフトウェアのバージョンアップが行われ、それ以降に販売された端末ではほとんどの不具合が解消されました。しかし、発売当初に購入したユーザーに対するバージョンアップは行われなかったため、不満の声も上がりました。また、公表されていない問題として、再生ボタンなどの誤動作が多発するという報告もありました。

沿革

2005年10月14日：テュフ・ラインランド・ジャパンによる技術基準適合証明の工事設計認証を取得（工事設計認証番号005XYAA0010）
2005年11月11日：テュフ・ラインランド・ジャパンによる技術基準適合証明の工事設計認証を取得（工事設計認証番号005XYAA0011、005NYDA0046）
2006年1月10日：テュフ・ラインランド・ジャパンによる技術基準適合認定の設計認証を取得（設計認証番号A06-0005005）
2006年3月25日：発売

関連項目

ソフトバンクモバイルの端末一覧
音楽携帯

外部リンク

Vodafone 804SS｜SoftBank
日本サムスン
ZDNet Japan - Vodafone 804SS
804SSのカタチ

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