W32T

W32Tは、東芝および東芝モバイルコミュニケーション（現FCNT）によって開発された、KDDIと沖縄セルラー電話のauブランドの携帯電話です。この端末は、CDMA 1X WIN（現在のau 3G）ネットワークに対応していました。

概要

W32Tは、基本的なスペックはW31Tと同等ですが、いくつかの重要な機能が追加・改善されました。特に注目すべきは、プッシュ・ツー・トーク機能である「Hello Messenger」に対応した点です。これにより、ユーザーはボタンを押すだけで、他のユーザーと手軽に会話ができるようになりました。また、カメラ機能のソフトウェアも改善され、より高品質な写真撮影が可能となりました。

沿革

W32Tは、2005年10月24日にKDDIと東芝から公式に発表されました。その後、同年11月25日に順次発売が開始されました。しかし、販売期間は比較的短く、2006年4月には販売が終了しました。さらに、2012年7月22日には、L800MHz帯（旧800MHz帯・CDMA Bandclass 3）による音声通話・データ通信サービスの停波に伴い、W32Tは利用不可能となりました。これは、携帯電話の技術的な進化と、それに伴うサービスの変化を示しています。

仕様

W32Tの主な仕様は以下の通りです。

前面ステレオスピーカー: 高音質なステレオサウンドを提供します。
最大64和音: ヤマハMA-5音源チップを使用し、豊かな音色を奏でます。
Bluetooth V1.1: ワイヤレス通信をサポートします。
Hello Messenger: プッシュ・ツー・トーク機能で、手軽なコミュニケーションを実現します。
PCサイトビューアー: PCサイトを閲覧可能でしたが、2016年3月31日にサービスが終了しています。
聴かせて検索: 音楽を聴かせて楽曲情報を検索できます。
EZナビウォーク: 3Dナビにも対応しており、別途ダウンロードで利用可能。
EZ助手席ナビ: 車での移動をサポートするナビゲーション機能。
EZチャンネル: 様々な情報チャンネルを閲覧できます。
安心ナビ: 位置情報を利用した安全サポート機能。
EZ「着うたフル」: フルサイズの着信メロディを設定可能。
着ムービー: 動画をダウンロードして再生する機能
着Flash(アニメ): Flashアニメーションをダウンロードして表示する機能
その他: 人気番組「run for money 逃走中」で過去に利用されていました。

技術的な特徴

W32Tには、3Dグラフィックエンジン「MOBILE TURBO T4G」（TC35285）が搭載されていました。これにより、高度なグラフィック処理が可能となり、よりリッチなユーザー体験が提供されました。また、電子辞書機能「辞スパ」も付属しており、同梱のCD-ROMおよび添付のminiSDカード（16MB）にデータが収録されていました。この辞書機能は、ユーザーにとって便利なツールでした。さらに、フレームレス構造の大型テンキーを採用し、操作性も向上していました。

備考

W32Tは、その多機能性と高性能さから、当時のユーザーに広く支持されました。特に、プッシュ・ツー・トーク機能や3Dグラフィックエンジンは、他の携帯電話との差別化に貢献しました。また、電子辞書機能や各種アプリの充実も、ユーザーの利便性を高める要因となりました。

関連情報

CMイメージキャラクター: 大塚愛さんがCMに起用されていました。
外部リンク: auの製品アーカイブやオンラインマニュアルへのリンクが提供されています。

W32Tは、auの携帯電話の歴史において、重要な役割を果たした機種の一つと言えるでしょう。その多機能性や革新的な技術は、当時の携帯電話市場に大きな影響を与えました。

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