EZ助手席ナビ

EZ助手席ナビとは

「EZ助手席ナビ」は、KDDIと沖縄セルラー電話のauブランド、ナビタイムジャパンが共同で提供する同乗者向けのカーナビゲーションサービスです。NAVITIMEの技術を基盤とし、携帯電話のメリットを生かしたリアルタイムな情報提供が特徴です。

概要

インターネット接続が可能な携帯電話の利点を活用し、常に最新の地図情報や全国の交通情報、放置車両重点取締区域などを表示することで、従来のカーナビゲーションシステムを上回るサービスを提供することを目指しました。特別な取り付け作業は不要で、携帯電話をカーナビとして利用できる手軽さが話題となり、auの主要サービスの一つとして普及しました。

ただし、「EZ助手席ナビ」はあくまで簡易的なナビゲーションサービスです。車速を検出できないため、トンネル内などでは正確な現在地を把握できないことや、地図情報の取得にインターネット接続が必要なため、圏外では利用できないなどの制約があります。また、パケット通信料が発生する点や、レスポンスの遅さも課題として挙げられます。本格的なナビゲーション性能を求める場合は、専用のカーナビゲーションシステムの方が適しています。

「EZ助手席ナビ」は名称の通り、助手席に座る同乗者向けに設計されています。運転者が携帯電話の画面を注視したり、操作したりすることは道路交通法に違反する可能性があるため、注意が必要です。利用には専用のEZアプリ（BREW）が必要であり、パケット通信料定額サービスの利用が推奨されています。また、同社が提供する歩行者向けナビゲーションサービス「EZナビウォーク」と切り替えて利用することも可能です。

スマートフォン向けには、同様の機能を持つ「au助手席ナビ」アプリが提供されており、こちらはauユーザー以外でも利用できます。

機能

ナビゲーション: 目的地を設定すると、ルートに沿って地図がスクロールし、音声やバイブレーションで案内します。ルートは、一般道優先や高速道路優先など、複数の条件で選択できます。高速料金や排気ガス排出量の計算、オートリルート、交通状況に応じたルート検索など、一般的なカーナビゲーションシステムに匹敵する機能が搭載されています。電子コンパス非搭載の機種でも、地図の自動回転が可能です。また、視点の変更や、道を外れた際のリルート検索も可能です。
地図: GPS機能で現在位置を自動更新します。
ドライブスポット情報: 季節のお出かけ情報や、最新のおすすめスポット情報を提供します。
周辺検索: コンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ガソリンスタンドなどのカテゴリで周辺検索が可能です。検索結果には、店名や現在地からの距離が表示されます。天気情報も確認できます。
駐車場検索: 目的地周辺の駐車場情報を検索できます。現在地から駐車場までのルート表示や、満車・空車情報も確認可能です。
道路交通情報: 全国の道路交通情報をリアルタイムで確認できます。渋滞情報や抜け道検索も可能です。

対応機種

EZ助手席ナビ

「KCP+」対応機種を含むCDMA 1x WINシリーズ
W20番台（W21H、W21Kを除く）
W30番台（W32Kを除く）
W40番台（全機種）
W50番台（全機種）
W60番台（Walkman Phone, Xmini（W65S）を除く）

au助手席ナビ

Android 1.6以降
iOS 5.0以降

利用料金

月額300円（税抜）
24時間150円（税抜）

特許侵害に関する訴訟問題

カーナビゲーション開発大手のパイオニアは、2009年11月11日、ナビタイムジャパンに対し、「EZ助手席ナビ」が特許を侵害しているとして、東京地方裁判所に訴訟を起こしました。パイオニアは、EZ助手席ナビソフトの流通禁止と10億円の損害賠償を請求しました。

2010年12月6日、東京地方裁判所は、パイオニアの請求を棄却しました。裁判所は、パイオニアの特許が、ナビゲーション機器を車両に搭載することを前提としているのに対し、「EZ助手席ナビ」は携帯電話を利用するサービスであるため、該当しないと判断しました。パイオニアは、一審判決を不服として知的財産高等裁判所に控訴しましたが、その後棄却されています。

関連情報

関連項目:
EZナビウォーク
GPS
外部リンク:
EZ助手席ナビ - ウェイバックマシン（2017年11月13日アーカイブ分）
au助手席ナビ

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