WDDX

WDDX（Web Distributed Data eXchange）は、プログラミング言語、プラットフォーム、トランスポート層に依存しないデータ交換メカニズムです。これにより、異なる環境やコンピュータ間でのシームレスなデータ交換が実現します。WDDXは、数値、文字列、ブーリアンといった基本的なデータ型に加え、構造体、配列、レコードなどの複雑なデータ構造もサポートしています。

この柔軟性により、WDDXは多様なプログラミング言語で利用可能です。具体的には、Ruby、Python、PHP、Java、C++、.NET、Flash、LISP、Haskellといった言語での実装が確認されています。データはXML 1.0 DTDでエンコードされ、プラットフォームに依存しない一貫した形式で表現されます。この形式のデータは、HTTPやFTPなどの様々な転送機構を通じて送信できます。

データを受信する側では、WDDXを解釈できるソフトウェアが、受け取ったデータをその環境に適した形式に変換します。また、WDDXはファイルシステムやストレージへのデータシリアライズ機構としても機能します。例えば、Webブラウザで実行されるJavaScriptを用いて、サーバーから複雑なデータをWDDX形式で送ることが可能です。これは、Ajaxの技術の一例として見ることができます。

WDDXは、1998年にAllaire社のSimeon Simeonovによって、ColdFusionサーバー環境向けに開発されました。同年には、XML-RPCも登場しており、WDDXと共にSOAPやWebサービスの先駆けとなりました。

以下は、WDDX形式のデータの例です。

xml

3.1415926



Austin
Novato
Seattle







この例では、円周率と都市名のリストがWDDX形式で表現されています。

WDDXは、その誕生以来、異なるシステム間でのデータ交換を容易にするための重要な技術として、その役割を果たしてきました。この技術は、様々なプログラミング言語やプラットフォームで活用できるため、多様なシステム間の連携を促進し、Webアプリケーション開発におけるデータ交換の柔軟性を高めるのに貢献しています。

関連情報

OpenWDDX website
GCA98 WDDX Presentation
Cover Pages on WDDX
Exchanging Data with WDDX
* Using WDDX with Flash

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