WILLCOM CORE XGP

WILLCOM CORE XGP：2.5GHz帯高速データ通信サービスの軌跡

WILLCOM CORE XGPは、ウィルコム（現ワイモバイル）が提供していた、2.5GHz帯を利用したeXtended Global Platform（XGP）方式による高速データ通信サービスです。PHS回線よりも高速なデータ通信を実現することを目指していました。しかし、サービス開始から終了まで、幾多の困難に見舞われ、短命に終わる結果となりました。

サービス概要

XGPは、UQコミュニケーションズと同様にBWA（ブロードバンドワイヤレスアクセス）向けに割り当てられた2.5GHz帯の周波数を使用していました。当初は、東京都内の一部地域を対象とした限定的なサービスとして2009年10月に開始されました。既存のウィルコムPHSまたはWILLCOM CORE 3G契約者で、東京都特別区に住所登録している顧客のみが利用可能でした。

当初は、2010年3月末までを限定サービス期間とし、2010年10月以降に一般向けサービスへの展開を予定していました。しかし、ウィルコムの会社更生法申請の影響により、限定サービス期間が何度も延長され、一般サービスは開始されぬままに終わりました。

2010年12月21日には、ソフトバンクが設立したWireless City Planning株式会社（WCP）が、ウィルコムからXGP事業を譲受しました。WCPはサービスブランドを継承せず、単に「XGPサービス」と称していました。新規加入の受付は行わず、譲渡前に利用していた顧客のみが継続利用可能でした。ウィルコムがWCPのMVNOとしてXGPサービスを提供する可能性も検討されていましたが、実現しませんでした。

2011年12月2日、WCPは2012年1月31日をもってXGPサービスを廃止し、後継となるAXGPサービスへの移行を発表しました。AXGPサービスは、ソフトバンクモバイルが「SoftBank 4G」として提供しており、ソフトバンクモバイル網とのデュアルモード対応機器が提供されていました。

サービス沿革

2009年4月27日: 東京都山手線内の一部地域でエリア限定サービス開始。
2009年7月1日: 法人・MVNO事業者向けに試験サービス開始。
2009年10月1日: 対象・エリアを限定した正式サービス開始。
2010年2月18日: ウィルコムが事業再生ADR手続を申請。財務負担が理由。
2010年3月12日: XGP事業をAPファンドとソフトバンクなどが設立する新会社に譲渡することを発表。
2010年12月21日: WCPがXGP事業を譲受。
2011年12月2日: XGPサービスを2012年1月31日付で廃止することを発表。
2012年1月31日: XGPサービスを終了。
* 2011年11月1日: 後継規格AXGPサービス開始。

料金

限定サービス期間中は「XGPデータ定額フラット」が無料でしたが、通常時は4380円（PRIN利用料945円別途加算）でした。AXGPサービスへの移行時、モニターユーザーへの無料提供が発表されました。

対応端末

WILLCOM CORE XGP対応端末は、XGP方式のみ対応で、AXGPには非対応でした。主な端末メーカーとして、ネットインデックス、NECインフロンティアがありました。

関連情報

WILLCOM CORE、eXtended Global Platform、WILLCOM CORE 3G、モバイルWiMAX、UQコミュニケーションズなどが関連情報として挙げられます。

まとめ

WILLCOM CORE XGPは、時代の変化や経営状況の変化に対応しきれず、短期間でサービスを終了した高速データ通信サービスでした。その歴史は、日本のモバイル通信市場における競争の激しさを示す一例と言えるでしょう。

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