WIND (探査機)

WINDは、太陽風、磁場、粒子の観測を目的としたNASAの宇宙探査機です。1994年11月1日に打ち上げられ、太陽と地球の関係における物理学的な理解を深めることを目指す国際協力プロジェクト、太陽地球系科学国際共同観測計画（ISTP）の一環として、GEOTAIL、Polar、SOHO、クラスターミッションと共に活動しています。特にPolarとは姉妹機の関係にあります。

機体はマーティン・マリエッタのアストロ・スペース部門によって設計・製造されました。直径2.4m、高さ1.8mの円柱形で、スピン安定方式を採用しています。推進装置を備え、設計寿命は3年から5年とされていましたが、大幅にそれを超えて運用されています。データ記録にはテープレコーダーが用いられ、5.5または11.1kbpsの速度でディープスペースネットワークに中継されます。

打ち上げは1994年11月1日4時31分00秒（EST）、ケープカナベラル空軍基地の17B発射台から、マクドネル・ダグラスのデルタ IIロケットによって行われました。打ち上げ後最初の9ヶ月間は、黄道面近くのダブル・ルナー・スイングバイ軌道に投入され、地磁気の観測が行われました。その後、ラグランジュ点L1付近の小さなハロー軌道に移され、太陽から飛来する太陽風、磁場、粒子の観測を継続しています。2004年以降は恒常的にL1ポイントに位置しており、観測を続けています。

WINDの運用は、ゴダード宇宙センターのWIND/POLARミッション・オペレーション・ルームによって管理されています。2020年11月の時点でも運用が続けられており、現在の軌道を維持するために必要な燃料は2074年まで十分に残っているとされています。これにより、今後も長期間にわたる観測が期待されています。

WINDは、ISTP/Wind、GGS/Wind、Wind/ISTP、Wind/GGSといった別名でも知られています。また、国際衛星識別符号は1994-071A、衛星カタログ番号は23333です。

関連情報として、ラグランジュ点に存在する物体の一覧や、下記の外部リンクからWINDの最新情報や軌道データなどを参照できます。

Wind
WIND Near Real-Time Data
Table of WIND Orbital Events 16-Nov-94 through 25-Oct-97
WIND Extended Mission Trajectory 10/25/97 4/7/00
WIND Online Orbit Plotter
The Radio and Plasma Wave Investigation on the WIND Spacecraft
GSFC Press Release 01-71 July 25, 2001
NSSDC Master Catalog Display: WIND
* The WIND Spacecraft

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