Windows TV ゴシック

Windows TV ゴシックとは

Windows TV ゴシックは、タイプバンクによって開発された和文ゴシック体フォントです。2007年にバージョン1が製作され、Windows 7およびWindows 8に標準搭載されたことで広く知られるようになりました。フォント形式はOpenType（ベースはTrueType）を採用しており、高い互換性を持っています。

ARIB外字への対応

Windows TV ゴシックの最大の特徴の一つとして、FM文字多重放送や字幕放送などで使用されるARIB外字を私用領域に収録している点が挙げられます。ARIB外字は、放送業界で使われる特殊な文字であり、通常のフォントでは表示できない場合があります。このフォントは、これらの外字をサポートすることで、放送関連の表示における利便性を向上させています。

ただし、MicrosoftがユニコードコンソーシアムにARIB外字のUnicode収録を提案し、2009年10月にUnicode 5.2に収録されたにもかかわらず、Windows TV ゴシック自体はUnicode 5.2への対応はされていません。

JIS規格への対応

Windows TV ゴシックは、JIS X 0212-1990およびJIS X 0213:2004にも対応しています。これにより、幅広い文字セットを表示することができ、ビジネス文書から一般的な出版物まで、様々な用途で活用できます。さらに、これらのJIS規格以外にも一部の漢字を表示できるため、表現の幅が広がります。

フォントファミリー

Windows TV ゴシックは、以下の6種類のフォントファミリーで構成されています。

Windows TV ゴシック
Windows TV 丸ゴシック
Windows TV 太丸ゴシック
Windows TV Pゴシック
Windows TV P丸ゴシック
Windows TV P太丸ゴシック

これらのファミリーは、デザインや太さが異なり、使用シーンに応じて最適なフォントを選ぶことができます。特にP付きのフォントはプロポーショナルフォントであり、文字ごとの幅が異なるため、より自然で読みやすい組版が可能です。

インストールについて

Windows 7に標準搭載されているものの、インストール直後はすぐには使用できない状態です。フォントファイルは、Windowsシステムの下位フォルダである`Windows\ehome`の中に格納されており、具体的には`WTVGOTHIC-R.ttc`、`WTVGOTHIC-RB.ttc`、`WTVGOTHIC-S.ttc`の3つのファイルです。これらをインストールすることで、初めてWindows TV ゴシックが利用可能になります。

まとめ

Windows TV ゴシックは、ARIB外字やJIS規格に対応した、汎用性の高い和文ゴシック体フォントです。特に放送関連の分野での使用を考慮した設計がなされており、字幕放送やFM文字多重放送などでその真価を発揮します。Windows 7および8に標準搭載されているため、幅広いユーザーが手軽に利用できる点も魅力です。

脚注

ARIB外字
JIS X 0213
Windows 7

外部リンク

Windows 7 でひっそり追加されていた和文フォント - しろもじメモランダム (2009.5)

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