World Independent Networks Japan

World Independent Networks Japan株式会社 (WINJ)

World Independent Networks Japan株式会社（WINJ）は、衛星放送を行っていた日本の委託放送事業者です。2002年11月20日にアクシオムキャピタル株式会社などの出資により設立され、2003年10月1日には株式会社ワイヤービーからセント・ギガの事業を引き継ぎました。この時、BSラジオ局「クラブコスモ」としての活動を開始しました。

設立当初、WINJはセント・ギガからの編成の大幅な変更を告知しました。スポンサー契約者には、予想されるタイムテーブルや編成方針を記載したパンフレットが配布されましたが、実際の新規番組の制作は限られたもので、従来の「音の潮流」の再放送が多くを占めていました。2006年3月時点では、放送時間の約14～16時間にわたってセント・ギガ制作の番組が再放送されている状況でした。

また、2005年3月31日まで、アナログWOWOWのチャンネルで音声多重放送を通じて放送を行っていました。聴取料は3150円に設定されていましたが、実際には無料の放送が続けられました。さらに、2005年8月から9月にかけては、BSデジタルテレビ放送への参入を申請しましたが、WINJのみが拒否され、その理由は公開されませんでした。以降、ストアコンソーシアムジャパンにより株式が取得され、新たな事業展開が行われることとなります。

しかし、2006年6月以降、状況は厳しくなりました。公式サイトや電子番組ガイドの更新が滞り、夏になると放送中断やノイズトラブルが頻発するようになりました。資金難が指摘される中、10月には番組審議委員会にも連絡が取れない状態になり、存続が危ぶまれる事態に至りました。9月には無音の放送事故が発生するなど、放送への影響が広がりました。

2006年11月1日、WINJは新システム構築と放送機器のメンテナンスを理由に放送休止を総務省に届け出ました。以後、2015年にかけて休止が続くことになります。この間、放送衛星システムは契約解除を行い、翌年にはWOWOWも契約を打ち切りました。

2007年4月27日に5回目の休止届が出され、総務省は事情聴取を開始しました。聴取では、後の資金分配や再開の見込みについても問われ、WINJは既存の経営陣が退陣するなど、混乱が続きました。株式会社ストアコンソーシアムジャパンが破産し、新たなリーダーが電波監理審議会と接触するも、資金の見込みは立たず、WINJの認定取り消しに向けた手続きが進むこととなりました。

その後、2007年11月に総務省が認定取り消しを決定し、WINJは日本の衛星放送史で初めて正式に廃局となりました。この結果、BSデジタルラジオ放送局が消滅する事態となり、その後、他の外資系放送事業者においても規制違反による認定取り消しが行われるまでの長い期間が続くこととなりました。WINJは最終的に休眠会社となり、法人番号が付与され、現在に至ります。

チャンネル概要

かつてセント・ギガ及びクラブコスモは、BS333chでWINJのメイン放送、BS633chで番組案内、BS636chでのデータ放送が行われていました。

このように、WINJの歴史は衛星放送事業における 一連の興亡を象徴するものとなっています。

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