XBTC (航空機)

XBTC（Curtiss-Wright XBTC）の概要

XBTCは、アメリカ海軍向けにカーチス・ライト社が開発した試作艦上攻撃機です。社内での名称はCW-96であり、特に第二次世界大戦中においてその存在が注目されました。また、アメリカ陸軍航空軍にもXA-40計画として提案されましたが、最終的にはその発注は取りやめられました。

設計の特徴

XBTC-1（CW-96）は、強力なエンジンを搭載しており、2200馬力を誇るR-3350エンジンと、3000馬力のプラット・アンド・ウィトニーXR-4360-8Aエンジンが使用されています。この機体は低翼の単葉機であり、引き込み式の主脚を特徴としていました。また、二重反転式プロペラを装備しているため、優れた運動性能が求められていました。

開発の経緯

1943年、アメリカ海軍は艦上機の爆撃機と攻撃機の機能を統合し、次の主力雷撃機計画及び急降下爆撃機計画を策定しました。この新たな機体計画には、いくつかの企業が参加し、カーチス・ライト社のXBTC-1もその一翼を担いました。他にはマーチン社のXBTM-1、ダグラス社のXBT2D-1、カイザー・フリートウィングス社のXBTK-1といった機体が提案されました。

XBTCはそのエンジン出力と武器搭載能力から高く評価されたものの、最終的にはBTM-1（後のAM モーラー）とXBTD-1（後のA-1 スカイレイダー）が選ばれました。しかし、XBTCの製造準備がすでに整い、試験も続けられることとなりました。

試作機は2機製作され、「Model A」および「Model B」として進化しました。「Model A」は標準的なテーパー翼とフラップが特徴であり、「Model B」では後退翼が採用され、より高い進行性能を持つ設計へと変更が加えられました。

試験と事故

1946年、試作機の2機はメリーランド州のパタクセント・リバー海軍航空基地に引き渡され、試験が開始されました。試験は順調に進行していたものの、1947年2月に1機目が墜落、続いて1947年8月には2機目も墜落しました。これにより、両機型ともに失われたことから、XBTCは最終的に開発が中止される結果となりました。

結論

XBTCは、艦上攻撃機としての潜在能力を秘めた機体でしたが、試験段階での事故によってその開発が断念されることとなりました。最終的に、アメリカ海軍の艦載機戦力に於いて、このモデルの影響を受けた機体が選ばれた背景には、技術者たちの革新と挑戦がありました。今日では、XBTCは歴史の中に消え去った試作機として語り継がれています。

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