XBTK (航空機)

XBTK（Kaiser-Fleetwings XBTK）

XBTKは、第二次世界大戦の最中にカイザー・フリートウィングス社がアメリカ海軍向けに開発した艦上攻撃機です。1943年にアメリカ海軍は艦上機の爆撃機と攻撃機の機能統合を図り、次期主力雷撃機および急降下爆撃機の計画を発表しました。このプロジェクトに応じて、カイザー・フリートウィングス社はXBTK-1という機体を提案しました。

この艦上攻撃機の試作機であるBuNo.44313は1945年4月12日に初飛行を行い、その後5機が製造されることとなりました。XBTK-1は、他の競作機と同様に全金属製の単座攻撃機でしたが、特に注目すべきはそのエンジンです。XBTK-1は2000馬力級のエンジンを搭載しており、他社の機体が2500馬力を超える強力なエンジンを使用していたのに対し、相対的に軽量小型の設計となっていました。

また、通常の設計とは異なり、XBTK-1は胴体に爆弾倉を持たず、兵装は全て主翼と胴体に設けられたパイロンに懸架する方式を採用しています。この設計により、機体のコンパクトさを得る一方で、実際の武装搭載量には限界が生じました。

加えて、XBTK-1の特筆すべき特徴には、排気管をエンジンカウリングの後方に設置するのではなく、胴体側面のダクトを通じてコクピットの直後から排気する「オーグメント・チューブ方式」があります。この技術により、機体全体の空気力学的特性が向上し、効率的な運用が可能となりました。

試作機は最高速度600km/hを記録し、その小型軽量の特性により運動性能も優れていたものの、競合機に比べて搭載できる武装が少ないことがアメリカ海軍の評価に影響を与えました。さらに、太平洋戦争の終結に伴い新型機の需要が減少したため、他の競作機、すなわちXBTMやXBT2Dが採用されることとなり、XBTK-1は不採用となりました。

当初、XBTK-1の生産型であるBTK-1が17機発注される予定でしたが、全ての発注はキャンセルされてしまいました。以上の経緯から、XBTKは戦闘機の中での運命を誕生前に決定づけられた珍しい例となっています。

諸元

• - 全長: 11.86m
• - 全幅: 14.83m
• - 全高: 4.78m
• - 自重: 4,517kg
• - エンジン: P&W R-2800-34W 空冷星型18気筒　2,100hp
• - 乗員: 1名
• - 武装: 魚雷・爆弾など最大1,814kg、20mm機関砲×2
• - 最大速度: 600km/h

XBTKはその短い生涯の中で、軍用機の設計や運用における技術的な挑戦を象徴する存在でした。戦争の混乱の中で、多くの試作機が生まれた中で、その一つとして記憶されることでしょう。

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