XP-67 (航空機)

マクドネル XP-67

概要

マクドネル XP-67（通称バット）は、第二次世界大戦の後期にアメリカのマクドネル・エアクラフト社が手がけた単葉の双発レシプロ戦闘機です。この機体は当時のアメリカ陸軍航空隊向けに設計されたもので、マクドネル社が手がけた最初の軍用機でありました。その斬新なデザインには、ブレンデッドウィングボディという技術が採用され、胴体と主翼が滑らかに繋がる形状が特徴的です。これによって、空気抵抗の軽減が目指されましたが、試験中の問題発生や市場需要の消滅により開発は試作1機のみに終わりました。

開発・設計

マクドネル社は1939年に設立され、翌1940年にはアメリカ陸軍航空隊が求めた長距離戦闘機の提案を行います。応募は落選しましたが、その革新的なアイデアが注目を浴び、陸軍からの資金援助を受けることができました。1941年、XP-67として2機の試作機の発注を受けたことで、開発が本格化しました。設計は多くの新しいアイデアを盛り込んでおり、胴体とエンジンナセルの形状は主翼と一体化されることで、前部が扁平な外観となっています。

この機体は、層流翼を採用し、エンジンはコンチネンタル社製のXI-1430を2基搭載していました。ターボチャージャー付きで、出力は約1350馬力です。また、排気による推力増加を狙った設計も特徴的でした。武装には37mm機関砲が6門装備されることが決定され、空力特性も考慮されたコックピットの設計が行われましたが、試作機には与圧機能は搭載されませんでした。

試験・評価

試作機の初飛行は1943年12月に行われましたが、エンジンからの出火というトラブルが発生しました。翌年1月に新たに初飛行を成功させますが、エンジンの不具合により慎重な飛行が迫られました。その後、試験を重ねる中でエンジンナセルの流れを改善し、コックピットの認識や操舵感が良好と評価される部分もありました。しかし、エンジンの性能不足に起因する数多くの問題が残り、特に離陸滑走距離の長さや方向安定性の低下が指摘されました。

1944年5月には陸軍の評価試験が行われましたが、エンジンに関するトラブルは解決されませんでした。最悪の事態は1944年9月に発生し、エンジン火災が起こったことで機体が大きく損傷しました。この際、陸軍はXP-67のさらなる評価を中止し、開発契約の解消を決定しました。これにより試作2号機の完成は実現伸びし、計画は中途で終了となりました。

スペック

• - 構造：単葉双発、全金属製モノコック、引込脚3点降着式
• - 乗員：1名
• - 全長：13.63 m
• - 全幅：16.76 m
• - 全高：4.8 m
• - 翼面積：38.46 m²
• - 空虚重量：8,049 kg
• - 正規重量：10,030 kg
• - 最大離陸重量：11,523 kg
• - エンジン：コンチネンタル XI-1430-17/19 液冷倒立V型12気筒 1,350hp × 2
• - プロペラ：可変ピッチ4翅
• - 最大速度：652 km/h
• - 実用上昇限度：11,400 m
• - 航続距離：3,837 km

武装

• - 37 mm機関砲 ×6

登場作品

• - ゲーム：『紺碧の艦隊2 ADVANCE』に登場し、37mm機関砲のみを装備しています。

参考文献

• - 岡部ださく 『世界の駄っ作機（1）』 大日本絵画、1999年、ISBN 978-4499226899、179-183頁。

関連項目

• - 戦闘機一覧
• - ブレンデッドウィングボディ

外部リンク

• - Fact Sheets > McDonnell XP-67

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