XP-72 (航空機)

リパブリック XP-72

リパブリック XP-72は、第二次世界大戦の最中にアメリカ合衆国で設計された戦闘機です。この機体はアメリカ陸軍航空軍の配備を目的とした迎撃戦闘機であり、P-47サンダーボルトを基にして開発されました。搭載されたエンジンは、プラット・アンド・ホイットニー製のR-4360 28気筒星型エンジンで、延長軸を介して操縦席の後方に配置された過給機が特徴です。

開発経緯

リパブリック社はXP-72の開発を進める一方で、XP-69という別の試作機も設計していました。XP-69は、操縦席後方に42気筒の液冷星型エンジン、ライトR-2160を搭載し、さらには二重反転プロペラを採用する試作機でした。その武装は37mm機関砲2基と12.7mm機関銃4基とされ、高高度運用が可能な与圧コクピットが設けられていました。しかし、XP-72がより有望視される中、XP-69の開発は1943年5月に中止されました。JP-72の初めての試作機は1943年6月に発注されました。

初飛行と性能

1944年の2月2日、XP-72の試作1号機は四翅プロペラを装備して初飛行を行いました。その後、6月26日には二重反転プロペラを搭載した試作2号機が完成しました。試験飛行では、基本性能の向上が顕著であり、最大速度は772km/hに達しました。この高い速度を背景に、武装を37mm機関砲4門に変更し、100機の生産が決定されました。

戦局の変化と生産中止

しかし、戦局が進むにつれて、アメリカ陸軍は高速の迎撃戦闘機よりも長距離飛行が可能な護衛戦闘機を求めるようになりました。さらに、ジェット戦闘機の開発も進行中であり、XP-72はその新しい技術に対して競争力を失ってしまいました。その結果、XP-72の生産は最終的にキャンセルされました。

概要と諸元

リパブリック XP-72の主な諸元は以下の通りです：

• - 乗員: 1名
• - 全長: 11.15 m
• - 全高: 4.88 m
• - 翼幅: 12.47 m
• - 空虚重量: 5216 kg
• - 最大離陸重量: 7950 kg
• - 動力: プラット・アンド・ホイットニー R-4360-13 星型エンジン（2240 kW）

また、性能は以下のようになっています：

• - 最大速度: 772 km/h（海面高度では623km/h）
• - 航続距離: 1931 km
• - 実用上昇限度: 12805 m
• - 上昇率: 26.8 m/s

武装は以下の通りです：

• - 12.7 mmの機関銃 x 6基
• - 1000ポンドの爆弾 x 2機

このように、リパブリック XP-72は戦闘機開発の一端を担ったものの、戦局の変化によりその運命を見送らざるを得なかった機体でした。

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