YF-30 クロノス

YF-30 クロノス：時を駆ける革新のVF

YF-30 クロノスは、PlayStation 3用ゲームソフト『マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』に登場する可変戦闘機（VF）です。メカニックデザインは河森正治氏が担当しました。クロノスとは、ギリシア神話に登場する時間の神に由来します。

概要

『マクロス30』は、マクロスシリーズ30周年を記念した作品であり、歴代VFシリーズが集結する中、YF-30 クロノスは唯一の完全オリジナル機体として、主人公機を務めます。当初、デザイナーの河森氏はVF-1 バルキリーの改良型を考えていましたが、30周年を飾る機体として、全く新しいデザインが求められました。ゲーム中では、物語の中盤から登場しますが、本格的な操作は終盤まで待つことになります。

特筆すべき点として、『マクロスΔ』に登場するVF-31 ジークフリードは、本機をベースに量産された機体です。

デザイン

YF-30 クロノスは、『マクロスF』に登場するVF-25 メサイア、VF-27 ルシファー、YF-29 デュランダルの姉妹機という設定です。過去のシリーズ機体が複雑化していった反省から、本機はオーソドックスな双発戦闘機の形に戻す方向でデザインされました。しかし、「今までにないものを盛り込む」という目標の下、試行錯誤が繰り返され、機体上部に換装式の大型ウェポンコンテナを設けるという革新的なアイディアが生まれました。

カラーリングは、シリーズ30周年を記念し、『超時空要塞マクロス』の主人公・一条輝が搭乗したVF-1 バルキリーと同様の白地に黒と赤の配色が採用されました。ただし、黒の面積を増やすことで、印象を大きく変えています。

機体解説

YF-30 クロノスは、民間軍事プロバイダーS.M.S.の惑星ウロボロス支社が独自開発した試作機です。西暦2060年時点における最新鋭機であり、YF-24 エボリューションの系譜に属します。本来の用途は、フォールド断層突破のために計画された「可変超時空突入艇」ですが、新統合政府への技術開示を避けるため、新型VFの名目で開発が進められました。ウロボロス支社長であるアイシャ・ブランシェットが設計・開発を手がけ、ゼントラーディの全自動兵器工廠で製造されました。

YF-24系の特徴であるISC（慣性蓄積コンバーター）やEX-ギアなどのインターフェイスシステムも採用されており、無人機と同等以上の高機動性能を誇ります。ファイター形態の主翼形状はクリップドデルタ翼で、ストレーキ横にカナードが追加されています。

変形機構においては、両腕を両脚の外側に沿って配置し、変形時にヒンジがカナードと一体化して肩を形成するという、新たな試みがなされています。また、両脚間に長方形状のマルチパーパス・コンテナユニットが追加され、ガウォーク形態では股間部の可動域が広がり、バトロイド形態と同じように腰をひねる動作が可能となっています。コクピットは、バトロイド形態時にほぼ水平を保ったまま胸部内に収納されます。

主機には、YF-29 デュランダルに搭載されたFF-3001/FC1型エンジンの改良型であるFF-3001/FC2が採用されています。

独自の機能として、フォールドディメンショナルレゾナンスシステム (F.D.R.) を搭載し、制御AIにはYF-25 プロフェシーから継承したブリュンヒルデを採用しています。F.D.Rは、惑星ウロボロスで産出されるフォールド・クォーツを用いています。

武装

新型重量子ビームガンポッド: 連射モードと高威力の単射モードを使い分け可能な新型ガンポッドです。
12.7ミリ対空ビーム砲: 従来のVFシリーズと同様に、迎撃用として頭部の左右に1門ずつ装備されています。
アサルトナイフ: YF-24系に共通して装備される近接格闘用アサルトナイフです。
マルチパーパス・コンテナユニット: 本機の最大の特徴である多目的武装コンテナ。用途に応じて内蔵装備やコンテナ自体を換装可能であり、マイクロミサイルランチャー、大型ビーム砲、電子戦用パック、ブースター、兵員輸送など、様々なオプションが用意されています。

商品化

バンダイよりDX超合金として可変トイが発売されています。

参考文献

週刊ファミ通
マクロス30 銀河を繋ぐ歌声
マクロス30 銀河を繋ぐ歌声 ビジュアルコンプリートガイド
新訂版マクロス・クロニクル No.71

外部リンク

マクロス30公式サイト
魂ウェブ DX超合金 YF-30クロノス スペシャルページ

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