Ya・M・スヴェルドロフ名称共産大学

Ya・M・スヴェルドロフ名称共産大学（ロシア語: Коммунистический университет имени Я. М. Свердлова）は、ソビエト連邦時代に存在した、ソビエトおよび共産党幹部を育成するための重要な高等教育機関でした。この大学は、ソ連の政治、経済、社会の発展に大きく貢献した多くの人材を輩出しました。

沿革

1918年7月、ヤーコフ・スヴェルドロフの主導により、モスクワで「全ロシア中央執行委員会附属煽動・宣伝コース」としてその歴史をスタートさせました。翌1919年1月には「ソビエト・党務中央学校」に改組され、同年3月には第8回党大会決議によって中央の正式な認可を受けました。同年7月には、さらに「Ya・M・スヴェルドロフ名称共産大学」へと改称されました。当初、研究期間は6〜8ヶ月でしたが、後に2年、3年、4年と延長されていきました。

初期の講義プログラムは、スヴェルドロフとウラジーミル・レーニンが担当し、1919年7月11日と8月29日にはレーニン自身が国家についての講義を行いました。また、10月24日には、レーニンが出征する学生に対して演説を行いました。

1921年9月21日、党中央委員会決定により「Ya・M・スヴェルドロフ名称高等共産農業大学」と改称されました。さらに1926年3月8日の全露中執委幹部会決議においてソビエト連邦中央執行委員会に移管され、「ソビエト連邦中央執行委員会附属Ya・M・スヴェルドロフ名称全連邦共産大学」となりました。

大学には、夜間共産大学、コムソモール共産大学、日曜共産大学、学外共産大学、夜間ソビエト・党学校、講義コースが併設されていました。学部としては、哲学、歴史学、政治経済学、法学、自然科学、言語学の6学部が存在しました。開校から10年間で、生徒数は1万9000人に達し、1万人の卒業生を送り出しました。1920年代前半には、開校当初のデグチャルヌィー小路8番地からミウッスカヤ広場に移転しました。

大学の学術職員は、赤色教授研究所の学生の地位を与えられており、赤色教授研究所講義コースの学生がボランティアで共産大学の講義を担当することもあったようです。

1932年9月21日の党中央委決定により、「Ya・M・スヴェルドロフ名称高等（全連邦）共産農業大学」と再び改称され、コルホーズ、ソフホーズおよび地区委員会幹部育成のための機関としての役割を担うことになりました。1933年には、開校15周年を記念してレーニン勲章が授与されました。しかし、1935年に「Ya・M・スヴェルドロフ名称全連邦共産党（ボリシェヴィキ）中央委員会附属高等宣伝学校」に再編され、1938年1月10日の連邦中執委決議によって閉校されました。

人物

大学の運営には、スヴェルドロフ、ミハイル・カリーニン、ヴァレリヤン・クイブィシェフ、アレクセイ・ゴーリキー、アナトリー・ルナチャルスキーといった著名な人物が関わっていました。講師陣には、ヴャチェスラフ・ヴォルギン、ニコライ・ルキン、ミハイル・ポクロフスキー、イヴァン・スクヴォルツォフ＝ステパノフ、アレクサンドル・ストパニ、エメリヤン・ヤロスラフスキー、ウラジーミル・アドラツキー、アンドレイ・ブーブノフ、ミハイル・ウラジーミルスキー、セルゲイ・グセフ、フェリクス・コーン、セルゲイ・ミツケーヴィチ、セルゲイ・ピオントコフスキー、ヨシフ・スターリン、ニコライ・ブハーリン、アブラム・デボリン、ドミトリー・クルスキー、ニコライ・クルィレンコ、ピョートル・クラシノフ、アレクサンドル・ゴイフバルクなどがいました。

歴代の学長は以下の通りです。

ウラジーミル・ネフスキー（1921年）
ウラジーミル・アントーノフ＝サラトフスキー（1921年 - 1923年）
マルティン・リャードフ（1923年 - 1928年）
マリツェフ（1928年 - 1931年）
N・リヴォフ（1932年 - 1934年）
V・ウヴァロフ（1934年 - 1935年）
* ギンディン（1936年 - 1937年）

この大学は、ソ連の歴史において重要な役割を果たしただけでなく、教育機関としての変遷や、社会主義思想の普及に貢献したという点で、その存在意義は大きいと言えるでしょう。

もう一度検索