Yesworld
TK from 凛として時雨名義としては3枚目となるEP『yesworld』は、2021年4月14日にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズから世に送り出されました。
このEPには、タイトルを冠した楽曲「yesworld」を中心に、多彩なトラックが収録されています。
まず、人気曲「unravel」をヨルシカのn-bunaがリミックスした「unravel (n-buna from ヨルシカ Remix)」が収められています。また、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』でのパフォーマンス音源として、「unravel - From THE FIRST TAKE -」と「copy light - From THE FIRST TAKE -」も含まれています。さらに、車と音楽を組み合わせたプロジェクト『feat.CARS』のために制作された「Dramatic Slow Motion (Reconstructed 2020)」も収録されています。
初回限定盤には特典として、配信ライブ『Studio Live for“SAINOU”』の映像に加え、その舞台裏に迫るドキュメンタリー『Recording documentary & Rehearsal for "SAINOU"』の映像を収録したBlu-rayが同梱されました。作品のマスタリングは、アメリカの名門Sterling Soundのランディ・メリルが担当しています。
本作は、ライブBlu-rayとCDをセットにした作品『Acoustique Electrick Sessions 2020』と同日に発売されました。
yesworld
本作のタイトルナンバーである「yesworld」は、2020年9月に全国の劇場で上映された映像作品『TK from 凛として時雨 Studio Live for “SAINOU” ～Film Gig Emotion～』の中で、デモ段階の音源が初めて公開されました。この楽曲では、幾何学的な響きを持つピアノフレーズと、かつてないほど激しく切迫感を帯びたTKのボーカルが印象的です。特に終盤には、悲鳴とも宣誓ともとれるような力強い絶唱が響き渡ります。音楽ライターの高橋智樹氏は、『ROCKIN'ON JAPAN』2021年5月号において、この曲について「無慈悲な運命に対峙する我々人間のあまりにも脆弱な存在と、それでも最後の一瞬まで抗い闘い尽くそうとする紅蓮のミュージシャンシップ」と評しています。
制作は、TKが作成したデモトラックに、ゲスの極み乙女。のちゃんMARIがピアノパートを加えることから始まりました。レコーディングスタジオが使用できない状況を逆手に取り、TK自身のスタジオにエレキドラムを持ち込んで録音を行った結果、各楽器の音が際立ったクリアなサウンドが実現しています。エレキドラムの信号からは、タイミングや強弱の情報を抽出し、過去にBOBOが録音した生ドラムのサンプル音源などを重ねることで、生演奏と打ち込みが融合したようなハイブリッドな音像が作り上げられました。また、楽曲の一部を先行してちゃんMARIに渡し、その部分を構築してもらうことで、そこからさらに新たなフレーズが生まれるといったプロセスも経ています。タイトルは、劇場でのデモ公開のタイミングで決定されており、「僕らを含めた世界は何か見えないものの言いなりになってしまうのか？」という疑問を出発点としたストーリーが楽曲の中に描かれています。当初5.1chサラウンドでミックスされていた音源をステレオにミックスし直す際には、TKの中に強く残っていた5.1chのイメージを一度手放すことから作業がスタートされました。
この楽曲のミュージックビデオは、EPリリースと同日の2021年4月14日にYouTubeでプレミア公開されました。TKとこれまでも様々な映像作品を手がけてきた映像作家の最勝健太郎氏が制作を担当しています。
unravel (n-buna from ヨルシカ Remix)
この楽曲は、漫画家・石田スイ氏の展示会「石田スイ展［東京喰種▶JACKJEANNE］」のテーマソングとして使用されました。2014年に放送されたテレビアニメ『東京喰種トーキョーグール』のオープニングテーマとして広く知られる原曲「unravel」を、「石田スイ展」のテーマソングとして使いたいという要望を受け、ヨルシカのn-buna氏にリミックスが依頼されたことで完成しました。このリミックスバージョンは、展示会の会場で聴くことができたほか、石田スイ氏のイラスト約710点を用いたビデオコラージュ映像や、「石田スイ展」のプロモーションビデオにも使用されています。
TKは、リミックスという行為の難しさを理解した上で、n-buna氏に依頼した理由について、「その楽曲のもっとも美しい壊し方を知ってると思ったから」と語っています。また、「多くの人がオリジナルを求めつつもどこかで壊してほしいという曖昧なボーダーラインを、理想的なかたちでアウトプットしてくれた」とインタビューで述べています。一方、n-buna氏は展示会に寄せたコメントで、「unravelの持つ静かな狂気と激情の二面性を更に強調するような音楽を目指してリアレンジを行いました」と、制作における意図を説明しています。
このリミックスは、EP発売に先駆け、2021年2月10日に「unravel (n-buna from ヨルシカ Remix) - Exhibition edit」として先行配信されました。この配信のジャケットには、「石田スイ展」の象徴的なメインビジュアルが使用されています。EP発売と同日の4月14日には、ミュージックビデオがYouTubeでプレミア公開されました。俳優の山田孝之氏が率いるクリエイティブチーム「show+er」が制作を担当し、TKの友人である俳優の内田朝陽氏と、企画に賛同した個性派俳優の田中一平氏が印象的な演技を披露しています。ビデオ中では、n-buna氏所有のビンテージギター「Gibson ES-330」をTKが演奏する姿も見られます。
Dramatic Slow Motion (Reconstructed 2020)
この楽曲は、コンテンツスタジオ・株式会社チョコレイトが手がける、車をテーマにした楽曲をミュージックビデオ化するプロジェクト『feat.CARS』の第五弾としてタイアップされました。2014年に発表された楽曲「Dramatic Slow Motion」を、このプロジェクトのために新たに録音し直したバージョンです。コラボレーションしたミュージックビデオは2020年12月23日に公開され、同日に楽曲の配信も開始されました。タイアップが決定した際、TKは「せっかくなら少し違ったバージョンで聴いてもらいたい」という考えから、オリジナルのドラムとボーカルをそのまま使用しつつ、ミックスを変更し、ギター、ベース、ピアノを再録するという手法を選びました。
ミュージックビデオはトヨタ自動車の協賛のもと制作され、ギークピクチュアズの荒伊玖磨氏が監督を務めています。ドライブを通じて移り変わる男女二人の微妙な心の動きを、エモーショナルに表現しています。歌詞の中にある「この景色に名前を付けて君に見せたいな」という恋愛的なフレーズを手がかりに、ある出来事をきっかけに出会った男女の関係性が、トヨタ自動車のC-HRと共にドライブする中で徐々に変化していく様子が、印象的に描かれています。この『feat.CARS』の映像について、TKは「普段のMVの映像とはまったく逆の方向性でもあるのでびっくりする人もいると思いますが、さわやかな疾走感を楽しんでいただけると嬉しいです」とコメントしています。
unravel - From THE FIRST TAKE - / copy light - From THE FIRST TAKE -
「unravel -From THE FIRST TAKE-」は、一発撮りのパフォーマンスで知られるYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』の第38回に出演した際に披露された音源です。ピアノ、バイオリン、チェロによる新たなアレンジが加えられた「unravel」のパフォーマンスは、2020年4月10日にYouTubeでプレミア公開され、その繊細かつ力強い歌唱は大きな反響を呼び、動画再生回数は約700万回に達しています。この時の音源を収録したのが本バージョンです。「copy light -From THE FIRST TAKE-」は、同じく『THE FIRST TAKE』の第41回に登場し、「copy light」を披露した際の音源化されたものです。このパフォーマンスは2020年4月22日にYouTubeでプレミア公開されました。これら2曲は、2020年7月24日より配信リリースされています。
TKは『THE FIRST TAKE』が立ち上げられた当初から注目しており、いつか自分も出演してみたいと考えていたそうです。「unravel」と「copy light」のために用意されたアレンジは、『THE FIRST TAKE』のためだけに考えられたもので、本番当日にTKのスタジオで少し合わせただけだったため、「そういった意味でもすごい緊張感でした」と振り返っています。音源化されたこの2曲について、TKは普段歌と演奏を同時にレコーディングすることが少ないため、「音源でも本当に生々しく収録できていて、（中略）未開の地に足を踏み入れた感覚」と語り、その特別な収録体験について言及しています。
本EPのリリースを受けて、2021年4月16日の宮城・チームスマイル・仙台PITを皮切りに、全国6箇所を巡るツアー「TK from 凛として時雨 TOUR 2021 “yesworld”」が開催されました。このツアーのうち、中野サンプラザホールで行われた最終公演の模様は、2022年4月20日にリリースされたライブ映像作品『feedback from』に収録されています。
ツアースケジュール
このEPには、タイトルを冠した楽曲「yesworld」を中心に、多彩なトラックが収録されています。
まず、人気曲「unravel」をヨルシカのn-bunaがリミックスした「unravel (n-buna from ヨルシカ Remix)」が収められています。また、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』でのパフォーマンス音源として、「unravel - From THE FIRST TAKE -」と「copy light - From THE FIRST TAKE -」も含まれています。さらに、車と音楽を組み合わせたプロジェクト『feat.CARS』のために制作された「Dramatic Slow Motion (Reconstructed 2020)」も収録されています。
初回限定盤には特典として、配信ライブ『Studio Live for“SAINOU”』の映像に加え、その舞台裏に迫るドキュメンタリー『Recording documentary & Rehearsal for "SAINOU"』の映像を収録したBlu-rayが同梱されました。作品のマスタリングは、アメリカの名門Sterling Soundのランディ・メリルが担当しています。
本作は、ライブBlu-rayとCDをセットにした作品『Acoustique Electrick Sessions 2020』と同日に発売されました。
楽曲解説
yesworld
本作のタイトルナンバーである「yesworld」は、2020年9月に全国の劇場で上映された映像作品『TK from 凛として時雨 Studio Live for “SAINOU” ～Film Gig Emotion～』の中で、デモ段階の音源が初めて公開されました。この楽曲では、幾何学的な響きを持つピアノフレーズと、かつてないほど激しく切迫感を帯びたTKのボーカルが印象的です。特に終盤には、悲鳴とも宣誓ともとれるような力強い絶唱が響き渡ります。音楽ライターの高橋智樹氏は、『ROCKIN'ON JAPAN』2021年5月号において、この曲について「無慈悲な運命に対峙する我々人間のあまりにも脆弱な存在と、それでも最後の一瞬まで抗い闘い尽くそうとする紅蓮のミュージシャンシップ」と評しています。
制作は、TKが作成したデモトラックに、ゲスの極み乙女。のちゃんMARIがピアノパートを加えることから始まりました。レコーディングスタジオが使用できない状況を逆手に取り、TK自身のスタジオにエレキドラムを持ち込んで録音を行った結果、各楽器の音が際立ったクリアなサウンドが実現しています。エレキドラムの信号からは、タイミングや強弱の情報を抽出し、過去にBOBOが録音した生ドラムのサンプル音源などを重ねることで、生演奏と打ち込みが融合したようなハイブリッドな音像が作り上げられました。また、楽曲の一部を先行してちゃんMARIに渡し、その部分を構築してもらうことで、そこからさらに新たなフレーズが生まれるといったプロセスも経ています。タイトルは、劇場でのデモ公開のタイミングで決定されており、「僕らを含めた世界は何か見えないものの言いなりになってしまうのか？」という疑問を出発点としたストーリーが楽曲の中に描かれています。当初5.1chサラウンドでミックスされていた音源をステレオにミックスし直す際には、TKの中に強く残っていた5.1chのイメージを一度手放すことから作業がスタートされました。
この楽曲のミュージックビデオは、EPリリースと同日の2021年4月14日にYouTubeでプレミア公開されました。TKとこれまでも様々な映像作品を手がけてきた映像作家の最勝健太郎氏が制作を担当しています。
unravel (n-buna from ヨルシカ Remix)
この楽曲は、漫画家・石田スイ氏の展示会「石田スイ展［東京喰種▶JACKJEANNE］」のテーマソングとして使用されました。2014年に放送されたテレビアニメ『東京喰種トーキョーグール』のオープニングテーマとして広く知られる原曲「unravel」を、「石田スイ展」のテーマソングとして使いたいという要望を受け、ヨルシカのn-buna氏にリミックスが依頼されたことで完成しました。このリミックスバージョンは、展示会の会場で聴くことができたほか、石田スイ氏のイラスト約710点を用いたビデオコラージュ映像や、「石田スイ展」のプロモーションビデオにも使用されています。
TKは、リミックスという行為の難しさを理解した上で、n-buna氏に依頼した理由について、「その楽曲のもっとも美しい壊し方を知ってると思ったから」と語っています。また、「多くの人がオリジナルを求めつつもどこかで壊してほしいという曖昧なボーダーラインを、理想的なかたちでアウトプットしてくれた」とインタビューで述べています。一方、n-buna氏は展示会に寄せたコメントで、「unravelの持つ静かな狂気と激情の二面性を更に強調するような音楽を目指してリアレンジを行いました」と、制作における意図を説明しています。
このリミックスは、EP発売に先駆け、2021年2月10日に「unravel (n-buna from ヨルシカ Remix) - Exhibition edit」として先行配信されました。この配信のジャケットには、「石田スイ展」の象徴的なメインビジュアルが使用されています。EP発売と同日の4月14日には、ミュージックビデオがYouTubeでプレミア公開されました。俳優の山田孝之氏が率いるクリエイティブチーム「show+er」が制作を担当し、TKの友人である俳優の内田朝陽氏と、企画に賛同した個性派俳優の田中一平氏が印象的な演技を披露しています。ビデオ中では、n-buna氏所有のビンテージギター「Gibson ES-330」をTKが演奏する姿も見られます。
Dramatic Slow Motion (Reconstructed 2020)
この楽曲は、コンテンツスタジオ・株式会社チョコレイトが手がける、車をテーマにした楽曲をミュージックビデオ化するプロジェクト『feat.CARS』の第五弾としてタイアップされました。2014年に発表された楽曲「Dramatic Slow Motion」を、このプロジェクトのために新たに録音し直したバージョンです。コラボレーションしたミュージックビデオは2020年12月23日に公開され、同日に楽曲の配信も開始されました。タイアップが決定した際、TKは「せっかくなら少し違ったバージョンで聴いてもらいたい」という考えから、オリジナルのドラムとボーカルをそのまま使用しつつ、ミックスを変更し、ギター、ベース、ピアノを再録するという手法を選びました。
ミュージックビデオはトヨタ自動車の協賛のもと制作され、ギークピクチュアズの荒伊玖磨氏が監督を務めています。ドライブを通じて移り変わる男女二人の微妙な心の動きを、エモーショナルに表現しています。歌詞の中にある「この景色に名前を付けて君に見せたいな」という恋愛的なフレーズを手がかりに、ある出来事をきっかけに出会った男女の関係性が、トヨタ自動車のC-HRと共にドライブする中で徐々に変化していく様子が、印象的に描かれています。この『feat.CARS』の映像について、TKは「普段のMVの映像とはまったく逆の方向性でもあるのでびっくりする人もいると思いますが、さわやかな疾走感を楽しんでいただけると嬉しいです」とコメントしています。
unravel - From THE FIRST TAKE - / copy light - From THE FIRST TAKE -
「unravel -From THE FIRST TAKE-」は、一発撮りのパフォーマンスで知られるYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』の第38回に出演した際に披露された音源です。ピアノ、バイオリン、チェロによる新たなアレンジが加えられた「unravel」のパフォーマンスは、2020年4月10日にYouTubeでプレミア公開され、その繊細かつ力強い歌唱は大きな反響を呼び、動画再生回数は約700万回に達しています。この時の音源を収録したのが本バージョンです。「copy light -From THE FIRST TAKE-」は、同じく『THE FIRST TAKE』の第41回に登場し、「copy light」を披露した際の音源化されたものです。このパフォーマンスは2020年4月22日にYouTubeでプレミア公開されました。これら2曲は、2020年7月24日より配信リリースされています。
TKは『THE FIRST TAKE』が立ち上げられた当初から注目しており、いつか自分も出演してみたいと考えていたそうです。「unravel」と「copy light」のために用意されたアレンジは、『THE FIRST TAKE』のためだけに考えられたもので、本番当日にTKのスタジオで少し合わせただけだったため、「そういった意味でもすごい緊張感でした」と振り返っています。音源化されたこの2曲について、TKは普段歌と演奏を同時にレコーディングすることが少ないため、「音源でも本当に生々しく収録できていて、（中略）未開の地に足を踏み入れた感覚」と語り、その特別な収録体験について言及しています。
TK from 凛として時雨 TOUR 2021 “yesworld”
本EPのリリースを受けて、2021年4月16日の宮城・チームスマイル・仙台PITを皮切りに、全国6箇所を巡るツアー「TK from 凛として時雨 TOUR 2021 “yesworld”」が開催されました。このツアーのうち、中野サンプラザホールで行われた最終公演の模様は、2022年4月20日にリリースされたライブ映像作品『feedback from』に収録されています。
ツアースケジュール
- - 2021年4月16日 宮城県・チームスマイル・仙台PIT
- - 2021年4月23日 福岡県・Zepp Fukuoka
- - 2021年4月28日 大阪府・なんばHatch
- - 2021年5月7日 愛知県・DIAMOND HALL
- - 2021年5月13日 神奈川県・KT Zepp Yokohama
- - 2021年5月19日 東京都・中野サンプラザホール
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