/04

コンピレーションアルバム『/04』

坂本龍一によるコンピレーションアルバム『/04』（スラッシュ・ゼロヨン）は、2004年11月24日にリリースされました。本作は「ゆるみ系BEST」というCD帯コピーが示す通り、過去の楽曲をピアノ用に再アレンジしたものが収められています。その中には初回限定盤として、花王「アジエンス」CMで使用されたオリジナル・バージョンの音源も含まれています。

収録されている楽曲は多彩で、YMO時代の「Perspective」、そして、ピアノとしては異色のアプローチである「Riot in Lagos」などがあり、聴く者を楽しませる内容となっています。制作はニューヨークのRight Track Recording 509Aスタジオ、一方で日本でも八王子市の南大沢文化会館や東京のBunkamuraスタジオで行われました。

本作の続編として『/05|_05』が存在しますが、『04』はピアノに挑戦的なトラックがメインであるのに対し、『05』にはより瞑想的な楽曲が収められています。また、本作に収録された曲を基に、坂本が監修した「/04オフィシャル・スコア・ブック」が出版されており、それにはピアノ・ソロバージョンとして「Asience - slow piano」や「Theme for Roningai - pf」、「Tamago 2004 - pf」、「Seven Samurai - ending theme pf」が収録されています。

収録曲について

このアルバムの収録曲は、全て坂本龍一による作曲で構成されています。特に注目すべきは以下の楽曲です:

• - Asience - fast piano: 本作で初めて音源化された楽曲で、連弾として演奏されます。オフィシャル・スコア・ブックには「slow piano」バージョンも含まれています。
• - Yamazaki 2002: アルバム『CM/TV|CM_TV』に収録された曲で、がっしりとしたリズムが特徴です。
• - +33: こちらも本アルバムで初めて音源化された曲で、ルイ・ヴィトン150周年の記念に作られました。8台のピアノを重ねて録音することで独特の音色を生み出しています。
• - Merry Christmas Mr. Lawrence: サウンドトラック『戦場のメリークリスマス』からの楽曲で、エンディングには新たな演奏が施されています。
• - Perspective: YMOのアルバム『サーヴィス』からの曲で、ピアノは連弾で演奏され、坂本自身が歌唱する形式です。
• - Riot in Lagos: アルバム『B-2ユニット』からの曲で、8台のピアノとハンドクラップが独自のダイナミズムを生み出しています。
• - Theme for Roningai - symphonic: 2004年に上演された舞台『浪人街』の主題曲で、本作で初めて音源化されました。
• - Tamago 2004: 本楽曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンの影響を受けながらも、新たなアプローチで演奏されます。

このアルバムは、坂本龍一の音楽的感性を最大限に引き出した大変興味深い作品です。彼の音楽はジャンルを超えた多様性を持ち、シンプルでありながら深い印象を残すものとなっています。『/04』はその集大成とも言える作品であり、坂本ファンはもちろん、新たに彼の音楽を知るきっかけとなる一枚として多くの人に愛されるでしょう。

もう一度検索