/05

コンピレーション・アルバム『/05』

2005年9月28日にリリースされた坂本龍一のコンピレーション・アルバム『/05』は、彼の音楽的探求を象徴する作品です。このアルバムは、前作『/04|_04』の姉妹盤として位置付けられており、同様に多様なスタイルの楽曲が収められています。出版元はワーナーミュージック・ジャパンで、音楽ファンにとって必聴の一枚といえるでしょう。

本作には、坂本龍一が監修を行い、楽譜としてまとめた「/05オフィシャル・スコア・ブック」も存在し、楽曲の理解を深める手助けとなります。

収録曲について

このアルバムには、全曲を坂本龍一が作曲した楽曲が収録されています。それぞれの曲は、彼のキャリアの中での重要な作品や独自のアレンジが施されたものです。以下に、いくつかの代表的な楽曲を紹介します。

Tibetan Dance

この楽曲は、アルバム『音楽図鑑』からの連弾作品です。坂本のピアニズムを存分に楽しむことができる一曲です。

A Flower is not a Flower

坂本のベスト・アルバム『the very best of gut years 1994-1997』に収録されている作品で、その美しいメロディは多くのリスナーに愛されています。

Amore

アルバム『ビューティ』からの楽曲で、元々は情熱的な演奏が特徴的ですが、本作では瞑想的なアレンジがされ、聴く人を異世界に誘います。このバージョンでは唯一のフェード・アウトが施されています。

Energy Flow

シングル『ウラBTTB』収録曲で、オリジナルよりも少し短めにアレンジされています。流れるようなメロディが印象的です。

Aqua

アルバム『BTTB』からの選曲で、オリジナルのダイナミクスを抑えたアレンジが施されています。

The Last Emperor

『ラストエンペラー』のサウンドトラックとして知られるこの曲は、これまでトリオ編成でのセルフカバーが主でしたが、今回は初めてピアノソロとしての形で再録音されています。

Happyend

シングル『フロントライン』からの楽曲。YMOのアルバム『BGM』には異なるバージョンがあります。ピアノの重ね録りによる深い響きが特徴です。

Thousand Knives

アルバム『千のナイフ』に収録されており、連弾とハンドクラップを用いた演奏形態がユニークです。中間部の電子音は特に印象に残ります。

Fountain

このトラックは初音源化され、2004年に開催された現代美術作家の個展で使用されるために作曲されたものです。

The Sheltering Sky

この曲は、映画『シェルタリング・スカイ』のサウンドトラックに収録されており、従来のピアノソロとは異なるオブリガートが特徴です。

Lost Theme

映画『ファム・ファタール』のサウンドトラックに収録されており、シンプルながら印象深いメロディが聴く人を惹きつけます。

Shining Boy & Little Randy

同じくサウンドトラックからの選曲で、この曲も多くの人々に感動を与えています。

Reversing

アルバム『BTTB（インターナショナル版）』に収録されたこの作品は、坂本の楽曲の中では珍しく変拍子の手法を用いています。

Rainforest

こちらは今回のアルバムで初めて音源化された曲で、ぜひ聴いてみてほしい一曲です。

『/05』は、坂本龍一の音楽の奥深さや多様性を体感できるアルバムです。彼の音楽に対する情熱と革新性が凝縮されたこの作品を通じて、改めて彼の魅力に触れることができるでしょう。

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