いっき

一人でもできる!?伝説のクソゲー『いっき』

『いっき』は、1985年7月にサン電子（サンソフト）からリリースされたアーケード用アクションシューティングゲームです。同年11月28日にはファミリーコンピュータ（ファミコン）版も発売され、その独特な世界観とゲーム性で多くのプレイヤーを魅了しました。

ゲーム概要

プレイヤーは農民の「ごんべ」を操作し、悪代官の屋敷を目指します。二人同時プレイでは、2Pキャラクターとして「たご」が登場します。ゲームの舞台は百姓一揆ですが、プレイヤーキャラクターはたった1～2人。敵はなぜか忍者という、奇想天外な設定が特徴です。多方向スクロールのアクションゲームでありながら、シューティングゲームの要素も強く、縦書きの日本語メッセージが独特の雰囲気を醸し出しています。

元々はナムコが販売する形でアーケードに設置されていました。ファミコン版は70万本を売り上げるヒットとなり、その後も『かんしゃく玉なげカン太郎の東海道五十三次』や『水戸黄門』といった時代劇シリーズが展開されました。

2006年には携帯アプリ『いっき萌バイル』、2010年にはPS3用オンラインゲーム『いっきおんらいん』、2011年にはソーシャルゲーム『いっき〜みんなで米騒動の巻〜』、そして2023年には最大16人同時プレイ可能な『いっき団結』が発売されるなど、様々な形でリメイク・展開されています。

クソゲーという愛称

『いっき』は、イラストレーターのみうらじゅん氏が初めて「クソゲー」という言葉を使ったソフトとして知られています。サンソフト自身も自虐的に「クソゲー」と称することがあり、2022年のプレスリリースでは「多くのみなさまにいじられる「クソゲー」という名を、私たちは「愛称」として心に受けとめております」と述べています。

サンソフトの代表的なタイトルであるため、関連作品ではごんべがゲスト出演することも多いです。

ゲームシステム

8方向レバーでごんべを操作し、ボタンで鎌を投げます。鎌は一番近い敵に向かって自動で飛んでいくため、方向を自由に決めることはできません。画面右側には、得点とマップが表示されます（ファミコン版にはマップ表示はありません）。マップには小判の位置が表示されており、全ての小判を集めるか、ランダムで出現する代官を捕まえればステージクリアとなります。全8面構成で、ファミコン版では裏マップを含めた8ステージ構成です。

敵キャラクターは、黒装束や赤装束の忍者、爆弾忍者、イノシシなど。赤装束の忍者は動きが速く、倒すのが困難です。敵の攻撃を受けるとミスとなり、残機が減ります。また、幽霊に取り憑かれると鎌を投げられなくなり、腰元に抱きつかれると身動きが取れなくなります。

アイテム

共通アイテム

竹槍: 一定時間、自動で竹槍を突き出す攻撃ができます。敵を倒した際の得点が増加し、移動速度も上がりますが、鎌攻撃は使用できません。

アーケード版のみ

巻物: 得点、竹槍、大根、葉っぱの効果などがあります。ピンクの巻物は画面上の敵を全滅させます。
おにぎり: 取得すると、ステージクリア後にボーナスステージへ行けます。
鍵: 捕虜を救出できます。
捕虜: 救出すると1UPします。
千両箱: 高得点ですが、取得するとプレイヤーキャラクターが大笑いし、その間は動けなくなります。

ファミコン版のみ

大根: 移動速度がアップします。
葉っぱ: 分身して無敵になりますが、攻撃力は2倍になりません。
巻物: プレイヤーが1UPします。
煙: 地蔵が持っている煙を取ると、ボーナスステージに行けます。

ボーナスステージ

おにぎり（または煙）を取得していると、ステージクリア後にボーナスステージに進めます。仙人が投げるおにぎりをキャッチすると得点が入り、全てキャッチできれば残機が1人増えます。このボーナスステージは、後のサンソフト作品にも登場する名物となりました。

移植版

ファミリーコンピュータ版

エンディングが存在せず、8ステージ終了後もループが続きます。ステージ99をクリアするとステージ00が始まり、それをクリアするとステージ01に戻ります。主人公がやられた時の効果音が長いのが特徴です。

各ステージにはシークレットレターが隠されており、全て繋げると「SOFTWARE」となります。

「クソゲー」の語源

みうらじゅん氏がファミコン版をプレイした際、「一揆は一人や二人でするものではない」と茶化し、「クソゲー」という言葉を定義したとされています。しかし、みうら氏の酷評が売り上げ増加に繋がった側面もあったようです。

いっき萌バイル

携帯電話アプリ版『いっき』。クリア後にミニゲームがプレイ可能で、ゲーム内で集めた小判を使って萌え系のトレーディングカードを収集できます。

まとめ

『いっき』は、そのユニークなゲーム性と「クソゲー」という愛称で、ゲーム史に名を刻む作品となりました。現在でも様々なプラットフォームでプレイ可能なので、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。

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