すあま

すあま（寿甘、素甘）について

すあまは、米粉を主成分とし、砂糖を加えて蒸した餅菓子の一種です。この菓子はその名の通り、寿（ことぶき）を意味し、幸運を願うために「寿甘」と表記されることもあります。特に紅白の色合いで仕上げられたものは、祝いごとの席で配られることが多く、地域によりさまざまな形で親しまれています。

特徴と製法

すあまは、上新粉と呼ばれる米粉に、砂糖を加えて熱いうちにつきあげて作られます。製造過程において、上新粉をお湯でこねてから蒸すことで、独特のモチモチとした食感が生まれます。この食感がすあまの大きな魅力の一つです。また、甘さは控えめで、あんこなどを使用することはありません。そのため、様々なシーンで少しの甘みを楽しむことができ、食べやすいスイーツとして好まれています。

一般的に、すあまは蒲鉾状に成形されることが多いですが、卵型の「つるのこ」または「つるのこ餅」として知られるバージョンもあります。専用の巻き簾を使って成形したり、色を付けたりすることもあります。色づけされたすあまは、例えば赤色は食紅、黄色はクチナシの実を用いて実現されます。すあまはその美しい色合いから、特に縁起物として重宝されています。

縁起物と使用例

卵型のすあまは「つるのこ」と名付けられ、鶴の卵に見立てられています。このため、鶴は長寿の象徴とされ、そのため特別な祝儀菓子や贈答品として用いられることが多いです。一般的なすあまと比較して、つるのこ餅はより柔らかい食感に仕上げることが多く、高級な上新粉や上白糖、和三盆といった高品質な材料が使われます。また、甘いあんこを包んだバリエーションも存在し、それぞれの店で個性を出しています。

類似の菓子

すあまと同じ米粉を使用した類似菓子には、「鳥の子餅」があります。この餅は餅米を使って製造され、しっかりとした食感が特徴です。また、「しんこ餅」と呼ばれる菓子も存在し、こちらも上新粉で作られますが、地域によっては異なる形状や味付けがなされることがあります。新潟県南魚沼市の浦佐などでは、しんこ餅として独自の地域銘菓が販売されています。

「ういろう」は別の和菓子の一つですが、同じく上新粉と砂糖を使用します。ただし、製法が異なるため、食感や風味は異なります。地域によってはういろうが重用される一方で、すあまは特に東日本でよく見られる傾向があります。

また、「州浜」（すはま）と呼ばれる和菓子もあります。この菓子はきな粉を用いて作られるため、すあまとは材料が異なりますが、外観や製法に類似点が見受けられます。すあまが州浜と呼ばれることもあるため、混同されることもあります。

まとめと文化的な側面

すあまは日本の伝統的な供物菓子の一つであり、特に祝いごとに欠かせない存在です。好きな人は多く、FMラジオ番組の中で紹介されるなど、リスナーからも多くの反響を得ています。また、サンエックスのキャラクター・たれぱんだもすあまが好物と設定されており、さらに多くの人々に愛されています。

すあまには地域ごとの風習や異なる材料やレシピが存在し、今後も様々な形で受け継がれていくことでしょう。

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