せんだいデザインリーグ

せんだいデザインリーグ：建築学生の熱き戦い

せんだいデザインリーグは、仙台建築都市学生会議とせんだいメディアテーク（smt）が共同で主催する、建築分野における全国規模の卒業設計展です。毎年3月にsmtを主会場として開催され、通称「卒業設計の甲子園」とも呼ばれる「卒業設計日本一決定戦」が目玉となっています。

歴史

2002年3月に初開催され、翌年から「卒業設計日本一決定戦」が始まりました。この背景には、かつて建築学生を対象としたコンペ「建築学生・設計大賞」がありましたが、主催者の民事再生法申請により終了。そのコンペの審査員であった隈研吾氏をはじめとする建築家たちが、学生のための新たなコンペティションの必要性を感じ、この大会が誕生しました。

現在では、全国の大学や専門学校から数多くの作品が出展され、日本最大級の卒業設計展・コンペとして成長を遂げました。2008年には、イギリスの建築・デザイン雑誌「BLUEPRINT」で「世界で最も熱い学生イベント」と紹介され、国際的な注目も浴びています。

内容

展示会では、建築模型が展示され、「卒業設計日本一決定戦」では、学生たちがしのぎを削ります。また、ユニークな特別企画として「梱包日本一決定戦」も開催されています。

近年、出展数や観客数の増加に伴い、展示はせんだいメディアテークで行い、卒業設計日本一決定戦の公開審査は東北大学百周年記念会館・川内萩ホールで行われるようになりました。公開審査の様子はsmt内でも生中継され、Twitter上では学生同士の熱い議論が交わされます。

卒業設計日本一決定戦

この大会は、2003年3月の第2回せんだいデザインリーグから開催されています。出展作品の中から、日本一（賞金10万円）、日本二（賞金5万円）、日本三（賞金3万円）の各賞と、特別賞（2～3名）が授与されます。

審査は、まず予選で100作品程度に絞り込み、セミファイナルで10作品程度を選出。そして、ファイナルで受賞者を決定するという過密なスケジュールで行われます。毎年5～6名の著名な建築家が審査員として招かれ、その審査の様子は一般公開されています。会場には、建築を学ぶ学生をはじめ、約4000人もの人々が詰めかけます。

梱包日本一決定戦

出展作品の破損が多かったことから、2008年3月の第7回大会より、特別企画として「梱包日本一決定戦」が始まりました。この企画により、作品破損数は大幅に減少しました。各年ごとに、日本一、日本二、日本三、特別賞などが選出されています。

審査員

せんだいメディアテークの設計者である伊東豊雄氏や、仙台建築都市学生会議のアドバイザーを務める先生方を中心に、多くの著名な建築家が審査員を務めています。

以下に、複数回審査員を務めた方々の一部を記載します。

五十嵐太郎（7回）
小野田泰明（5回）
伊東豊雄（4回、うち審査委員長4回）
阿部仁史（3回、うち審査委員長1回）
乾久美子（3回、うち審査委員長1回）
塚本由晴（3回、うち審査委員長1回）
中田千彦（3回）
重松象平（3回、うち審査委員長2回）

大会後

巡回展

2006年から2012年まで、入賞作品などを展示する巡回展が「卒業設計日本一展」という名称で、日本各地で開催されていました。

公式書籍

2006年より、各年の大会公式記録である「卒業設計日本一決定戦オフィシャルブック」が建築資料研究社から発刊されています。

放送・DVD

大会の模様は、仙台放送によって1時間番組として放送されています。2008年から2016年まではDVDが発売され、2017年からはFODで配信されています。

仙台建築都市学生会議

せんだいメディアテークが開館した2001年1月、東北大学・東北工業大学・宮城大学の建築を学ぶ学生有志によって結成されました。翌2002年からは、加盟校の学生ボランティアが主体となって「せんだいデザインリーグ」を運営しています。

現在の参加校は以下の通りです。

東北大学
東北工業大学
東北学院大学
宮城大学
宮城学院女子大学
山形大学

まとめ

せんだいデザインリーグは、建築を学ぶ学生たちの情熱と才能が集結する、日本最大級の卒業設計展です。「卒業設計の甲子園」という名にふさわしく、毎年多くの学生たちがこの舞台で熱い戦いを繰り広げます。

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