ひまわり油

ひまわり油：その歴史、生産、そして用途

ひまわり油は、ヒマワリの種子を原料とする食用油として広く知られています。サンフラワーオイルとも呼ばれ、サラダ油やマヨネーズなどの様々な食品に使用されていますが、ベニバナ油と混同されることも少なくありません。

生産と品質：品種改良の歴史

2009年から2010年にかけての世界的な生産量は、パーム[[油]]、大豆油、菜種油に次ぐ第4位を記録し、約1160万トンに達しました。主な産地は東ヨーロッパ、アルゼンチン、アメリカ、中国、インドです。16世紀にアメリカからヨーロッパに伝来し、18世紀頃から本格的な栽培が始まりました。

初期のひまわり油はリノール酸を約70％含む高リノール酸タイプが主流でしたが、生育環境や品種改良により、その組成は変化しました。高緯度地域ではリノール酸が増加し、低緯度地域ではオレイン酸が増加する傾向があります。品種改良によって油脂含有率は当初の30％から45％まで向上しました。

1970年代にはソ連で、その後アメリカで高オレイン酸品種の開発が進み、オレイン酸含有率80％に達する品種も誕生しました。1980年代半ばからは、この高オレイン酸ひまわり油（ハイオレイック油）の栽培が始まりました。2000年以降は、リノール酸15～20％、オレイン酸40～60％の中オレイン酸タイプ（NuSun品種）が主流となっています。

ヨウ素価は、高リノール酸油で120～142、中オレイン酸油で88～115、高オレイン酸油で78～98と、品種によって異なります。2007年のアメリカでは、中オレイン酸品種が全作付面積の85～90％を占めるようになりました。従来は圧搾法による抽出が一般的でしたが、現在ではノルマルヘキサンなどの有機溶媒を用いた抽出法が主流となり、大量生産が可能になっています。

用途：多様な可能性

日本では、ひまわり油はココアバター代替脂の製造に多く用いられています。また、マヨネーズ、サラダドレッシング、マーガ[[リン]]などの原料としても使用されています。その良質な風味を生かし、穀類やナッツ類の表面保護、クッキーなどのコーティング、煎餅などのつや出し、揚げ物や炒め物など、幅広い用途に用いられています。さらに近年では、バイオディーゼル燃料としての研究開発も進められています。

興味深いことに、第二次世界大戦中のソ連軍では、マイナス30℃以下でも凍結しない潤滑油として使用されていたという歴史もあります。

まとめ

ひまわり油は、その歴史の中で品種改良によって大きく進化し、現代では様々な用途に利用されています。高リノール酸、中オレイン酸、高オレイン酸など、それぞれの特性を持つ品種が生産されており、用途やニーズに合わせて選択することが可能です。今後も、その生産と利用は、食料やエネルギーの面から重要な役割を担っていくでしょう。

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