ウルトラマン怪獣大決戦

『ウルトラマン怪獣大決戦』

『ウルトラマン怪獣大決戦』は、1979年7月21日に松竹系で公開された映画で、テレビドラマ『ウルトラマン』のエピソードをオムニバス形式で再編集した作品です。本作は、ウルトラシリーズが3度目のブームを迎えたことを背景に、特に娯楽色の強いエピソードが選ばれました。劇場公開においては『ウルトラマンレオ かなしみのさすらい怪獣』との同時上映が行われました。

概要

興行的に成功を収めた『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』や『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』の後を受けて、ウルトラ映画第3弾として公開された本作は、ウルトラマンと人気怪獣との壮絶な戦いを描いたエピソードを中心に構成されています。選ばれたエピソードは「侵略者を撃て」「科特隊出撃せよ」「怪獣無法地帯」「科特隊宇宙へ」「怪彗星ツイフォン」で、ストーリーはそれぞれ別の日や翌日へと展開されるようになっています。

さらに、プロローグやエピソード間のシーンが新たに撮影され、ウルトラファミリーの集合シーンも見どころです。特筆すべきは、アニメ『ザ☆ウルトラマン』に登場するウルトラマンジョーニアスが実写デビューを飾っている点です。キャッチコピーは「ウルトラ12人ファミリーと10大怪獣… 画面を揺さぶる最後の闘い！」。

特徴

本作では新規撮影されたシーンがいくつかあり、初代ウルトラマンが地球に派遣される場面や、ウルトラマンジョーニアスとベドランとの戦闘シーンが含まれています。また、東京都の聖徳記念絵画館前での地上戦も新たに撮影され、バルタン星人が分身の術を駆使してウルトラマンを苦しめる一幕が描かれています。これらのシーンは、「ウルトラ愛の鐘」のシングルの裏ジャケットにも使われるなど、作品の重要な要素となっています。

キャストとスタッフ

この映画には、多彩なキャストが登場します。ムラマツキャップ役は小林昭二、ハヤタ隊員役は黒部進、アラシ隊員役は毒蝮三太夫、フジ・アキコ隊員役は桜井浩子といった、ウルトラマンシリーズのファンにはお馴染みの顔ぶれが揃っています。また、ウルトラマンのスーツアクターとして古谷敏や荻原紀が参加しています。

製作陣も豪華で、円谷皐が製作を手がけ、監督は宍倉徳子が務めています。脚本には上原正三や千束北男、音楽は宮内國郎と冬木透が担当し、作品に厚みを与えています。

映像ソフト化とテレビ放送

『ウルトラマン怪獣大決戦』は、シリーズの40周年を記念して2006年にDVD化され、その後も2011年には45周年記念のDVDボックスに収録されるなど、多くのファンに親しまれています。1984年7月25日には、日本テレビ系の『水曜ロードショー』で特別企画として放送され、再度の注目を集めました。

このように『ウルトラマン怪獣大決戦』は、ウルトラマンファンにとって忘れがたい作品であり、新旧のファンを魅了し続けることが期待される映画の一つです。

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