エフエム江戸川

FMえどがわ（株式会社エフエム江戸川）

株式会社エフエム江戸川は、「FMえどがわ」の愛称で地域に親しまれている特定地上基幹放送事業者です。東京都江戸川区の一部地域を主な放送区域とする超短波放送（FM放送）を行うコミュニティ放送局として運営されています。

この放送局は、江戸川区が1割を出資する第三セクターの形態をとっています。その放送区域は、江戸川区全域をカバーするほか、東京都の江東区、墨田区、葛飾区の各一部、さらには千葉県の市川市、浦安市の各一部にまで及んでいます。

FMえどがわの本社と主要なスタジオである演奏所は、東京都江戸川区南小岩に位置しています。南小岩のスタジオはフラワーロード商店街に面しており、放送の様子を見学することも可能です。また、電波を送信する送信所は、船堀駅前にあるTOKIビル（トキタワー）の屋上に設けられています。

番組編成においては、日中の時間帯は原則として自社で企画・制作した番組を中心に放送しています。これにより、地域の出来事や生活に根ざした情報、文化などをきめ細やかに伝えています。一方、深夜から早朝にかけての時間帯は、衛星音楽放送事業者であるミュージックバードの番組を放送していますが、コミュニティチャンネル向けの特別番組は少なく、主に音楽チャンネルの番組が放送されています。

近年では、放送区域外のリスナーにも聴取の機会を広げています。2012年（平成24年）5月1日に始まったJCBAインターネットサイマルラジオに参加しており、インターネット環境があれば日本全国どこからでも、あるいは海外からでもFMえどがわの放送をリアルタイムで聴くことが可能です。

FMえどがわでは、様々なジャンルの番組が制作・放送されています。日中には「江戸川区からのお知らせ」といった地域密着型の情報番組や、「季節は彩りの中で」「パステルカラーにゆれて」のような生活情報・トーク番組が放送されています。月曜日から金曜日には「熱中派時代」がアイドル編とPOPS編に分かれて放送されるほか、「まわる地球儀〜音楽の旅」など音楽をテーマにした番組も多数あります。週末には、「南風30°〜緑の風につつまれて」「そら日和 ふわり」といったゆったりとした雰囲気の番組から、「アイドル研究所・地下倉庫」「ディスコ天国」のような趣味性の高い番組、「サタデー・リクエスト〜水色のジュークボックス〜」といったリスナー参加型の番組まで、多彩なラインナップが揃っています。日曜日には「江戸川歴史散歩」のように地域の歴史に触れる番組や、「阿久悠の世界」「オールディーズ」など往年の音楽に焦点を当てた番組も人気を集めています。これらの番組には、市川洋子、大澤彩乃、大平原也、川口由貴絵など、多くの個性豊かなパーソナリティーが出演し、番組を盛り上げています。

FMえどがわの開局当初には、周波数に関する特別な経緯がありました。当初、放送に割り当てられた周波数は78.5MHzでしたが、試験放送を開始した直後、静岡県にあるFM FUJIの三ツ峠中継局の電波（78.6MHz）と混信することが判明しました。このため、一旦試験放送を中止し、周波数を変更するという対応がとられました。その結果、現在の周波数である84.3MHzが指定され、本放送に至っています。なお、江戸川区内でサービスを提供する江戸川ケーブルテレビでは、別途、FMえどがわの放送を77.6MHzで再送信しており、ケーブルテレビ経由でも聴取することができます。

また、FMえどがわでは、受信状態の報告に対して発行されるベリカードに特別な趣向を凝らしています。ベリカードのデザインには、江戸時代の名所図会である「江戸名所図会」を彩色したものが採用されており、全部で5種類の図柄が存在します。受信場所と送信所との距離に応じて発行される図柄が異なり、10km以内は「今井の津頭」、10kmから20kmは「二之江妙勝寺」、20kmから30kmは「平井聖天宮」、30km以上は「中川口」となっています。さらに、全ての報告者に対しては「市川渡口」の図柄が発行されるという、ラジオファンにとっては収集意欲を掻き立てるユニークな取り組みを行っています。

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