エモシオン

エモシオン：クラシックの夢から地方競馬を経て繋養へ

エモシオン（1995年3月17日生まれ）は、日本の競走馬として1998年のクラシック戦線で注目を集めました。関係者からはその馬体の素晴らしさと将来性について高い評価を受けており、クラシックでの活躍が期待されていました。

1998年の皐月賞では、重賞未勝利ながらセイウンスカイなど有力馬に次ぐ人気を集めましたが、4着に敗れました。レースでは激しいイレ込みが見られ、関係者の期待に応えることができませんでした。続くダービー、菊花賞も制覇することは叶わず、3冠タイトルは全て無冠に終わりました。しかし、折り合いを欠きながらも健闘したことから、今後の成長への期待も寄せられました。

1999年、5歳になったエモシオンは、日経新春杯で2着と好走した後、京都記念に出走。1番人気に応え、見事に優勝を飾りました。この勝利は、関係者にとって大きな喜びであり、まもなく勇退する小林稔調教師にとって最後の重賞勝利となりました。

その後、エモシオンは木原一良厩舎に転厩。大阪杯、天皇賞（春）への出走を目指して調整が進められていましたが、転厩直後に右前浅屈腱炎を発症し、長期休養を余儀なくされました。木原厩舎での出走は叶わず、その後、二ノ宮敬宇厩舎へと転厩しました。

2年弱の休養期間を経て、エモシオンは戦線に復帰しましたが、以前のような輝きを取り戻すことができませんでした。レースでは勝ち馬から大きく離される場面も多く、2001年11月にはJRAの競走馬登録を抹消。地方競馬の川島正行厩舎（船橋）に移籍しました。しかし、地方競馬での活躍は叶わず、川崎記念への出走登録も審査上の誤認により競走除外となるなど、苦戦を強いられました。地方競馬での2戦を終え、エモシオンは引退しました。

引退後は故郷である北海道白井牧場に戻り、従業員の練習馬として活躍。その後、日高ケンタッキーファームを経て、別の乗馬牧場、そして再び白井牧場へと移動しました。2013年からは、引退名馬繋養展示事業の助成を受け、穏やかな余生を送っています。

エモシオンは、クラシックでの活躍は叶いませんでしたが、古馬になってからの京都記念制覇など、多くのファンに記憶に残る活躍を見せてくれました。怪我や転厩、地方競馬への移籍など、数々の困難を経験しながらも、競走馬としての生涯を終え、現在は繋養展示事業の助成を受け、静かに余生を過ごしています。その生涯は、競走馬の激しくも美しい人生の一例として、長く語り継がれることでしょう。

競走成績（netkeiba.comおよびJBISサーチに基づく）

※具体的な成績は、netkeiba.comやJBISサーチなどのサイトで確認できます。

血統表

※主な近親は、プリティーポリー#シスターサラ系を参照ください。

参考文献

『優駿』2002年1月号、日本中央競馬会、2002年1月1日。

外部リンク

競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ、Racing Post
エモシオン - 競走馬のふるさと案内所
エモシオン - 引退名馬（名馬.jp）

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