オメガトライブ

オメガトライブの概要

オメガトライブ（OMEGA TRIBE）は、1980年代から1990年代にかけて日本で活動した音楽プロジェクトです。このプロジェクトは、プロデューサー藤田浩一が中心となり、作曲家林哲司や和泉常寛、アレンジャー新川博らと共に形成され、ボーカル陣は杉山清貴、カルロス・トシキ、新井正人の順に変遷しました。

プロジェクトの背景

オメガトライブの特色として、夏や海、リゾートをテーマにした楽曲が挙げられます。これらの楽曲は、「サザンオールスターズ」や「TUBE」とともに、日本におけるサマー・ソングの代表的存在となっています。杉山清貴がボーカルを務めるアマチュアバンド「きゅうてぃぱんちょす」は、1980年にヤマハポピュラーソングコンテストで入賞し、その後メジャーデビューのオファーを受けたが、オリジナル曲の完成度に満足できずに断っていました。

藤田浩一は、このバンドに注目し、プロデューサーとして彼らに楽曲を提供することを提案しました。この提案を受け入れ、バンドの名前を「杉山清貴&オメガトライブ」に変更して1983年4月にレコードデビューを果たしました。

名前の由来

「オメガトライブ」という名前は、藤田とハワイにいるDJのカマサミ・コングによって名付けられました。これは「オメガ」がギリシャアルファベットの最後の文字で「最期」を意味し、「トライブ」という言葉は「部族」を示しており、「最後の部族」という意味合いがあると言われています。

プロジェクトとしてのオメガトライブ

オメガトライブは、バンドというよりプロジェクトとして機能していました。メンバーは自身を「このプロジェクトの一員である」と述べており、楽曲制作は主に林哲司の指導の下で行われました。レコーディングでは、プロのスタジオ・ミュージシャンが演奏し、ボーカル以外のメンバーは実際の演奏にはほとんど関与していませんでした。そのため、メンバーは与えられた楽曲を演奏し販売するという使命感を持ちながらも、自らの音楽制作には関わらない状況が続きました。

解散の経緯

1985年、メンバーの中で音楽活動に対する不安が高まり、解散を決意する会話が持たれるようになりました。特に杉山が『自分たちの曲を作れないまま活動を続けるのは意味がない』と感じ、解散を提案しました。この意向は最終的に全メンバーに受け入れられ、1985年12月24日に活動を終了しました。解散後、杉山はソロ活動を開始し、残りのメンバーは新たに「1986オメガトライブ」として再スタートを切ることになりました。

再結成と今後の活動

2004年、杉山の呼びかけにより再結成が行われ、記念コンサートが開催されました。近年も周年イベントに際して様々な活動が展開されており、41年目を迎えた2024年にはファン向けの特別企画やツアーなどの計画が進行中です。

代表曲と影響

オメガトライブの代表的な楽曲には「SUMMER SUSPICION」、「君のハートはマリンブルー」、「ふたりの夏物語 -NEVER ENDING SUMMER-」などがあり、これらの楽曲は今も多くのリスナーに愛され続けています。オメガトライブのアプローチは、当時の音楽シーンにおいて新たな風を吹き込み、その後の日本のロックやポップスに多大な影響を与えました。特に、都会的で洗練されたサウンドは、その後の多くのアーティストに影響を与えることとなったのです。

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