オンタリオ州の概要
オンタリオ州(英: Ontario、仏: Ontario)は、
カナダにある州の一つで、国全体の
人口の約39%を占める最も
人口の多い州です。
州都は
カナダ最大の都市
トロントで、州に対しては「Ut Incepit Fidelis Sic Permanet」(忠実に始まり、忠実に残る)というモットーがあります。この州は
カナダ中東部に位置し、
政治や
経済の中心としての役割を果たしています。
歴史
連邦に加盟するまで
歴史は、
ヨーロッパからの移民が到来する以前、アルゴンキン族、
オジブワ族、クリー族、イロコワ族などがこの地に住んでいたことから始まります。
17世紀初頭には、イギリス人や
フランス人の探検家がこの地域に訪れ、植民地の形成が始まりました。
1763年のパリ条約により、
フランスの北米領土のほとんどがイギリスに譲渡され、その後1774年にはオンタリオが英領ケベックに組み込まれました。
1791年には、当時のケベックが2つの地域「ローワー・
カナダ」と「アッパー
カナダ」に分割され、オンタリオはアッパー
カナダの一部となりました。
1812年には、アメリカの侵入に対してイギリス軍と
先住民族の連合軍によって防衛が行われましたが、
トロントは一時占領され焦土と化しました。
カナダ自治領は
1867年に設立され、これによりオンタリオは正式に州の一部として認められました。この時、
トロントが
州都に指定され、
1889年には北西オンタリオも州に併合されました。
近代の発展
19世紀の末からは、オンタリオ州北部の鉱鉱と
水力発電の利用が進み、州の
経済成長を支えました。特に第二次世界大戦後は、移民の流入が増加し、州は急速に発展しました。
地理
オンタリオ州は地理的には北部の豊富な資源地帯、中部の森林地帯、南部の農工業エリアに区分されます。北は
ハドソン湾と接し、南は
五大湖に面し、肥沃な土地が広がります。また、州内には約25万の湖と10万キロにわたる川が存在します。ナイアガラの滝はこの州とアメリカの境界に位置し、観光名所としても知られています。
オンタリオ州は多文化共生の地であり、
フランス語を話す
人口も5%を占めており、主に
オタワ周辺や北オンタリオ地方で見られます。州内の
フランス語話者はフランコ・オンタリオンと呼ばれ、何世代にもわたってこの地に根付いています。
主な都市と政治
州政府は
トロントにあるオンタリオ州議会に基づき、
議院内閣制の
ウェストミンスター・システムを採用しています。現在の政権は自由党の少数政権で、選挙に参加する
政党は多岐にわたり、
政治的にも活発です。
経済的には、オンタリオは
カナダの製造業を主導しており、自動車産業が特に盛んです。主要な企業としては、
ゼネラルモーターズ、フォード、トヨタなどが挙げられます。また、金融業も重要で、
トロントは
カナダの金融中心地として知られています。北部では、鉱業や森林資源を活かした産業も展開されています。
交通
交通については、
トロント・ピアソン国際空港や
オタワ国際空港があり、効率的な交通網が整備されています。道路インフラも発展しており、400番台が主な自動車専用
高速道路として機能しています。
自然と観光
オンタリオ州には数多くの国立公園や州立公園があり、自然を楽しむ場も豊富です。
アルゴンキン州立公園やナイアガラ国立公園などは、観光客に人気のスポットとして知られています。自然の美しさと多様性を誇るこの州での生活や観光は、訪れる人々にとって特別な体験を提供します。