オーディンの槍

『オーディンの槍』の世界と物語

『オーディンの槍』は、テーブルトークRPG『アルシャード』を基にしたリプレイ作品で、ゲームマスターの菊池たけしが執筆し、井上純弌がイラストを手掛けています。この作品は2003年に『ゲーマーズ・フィールド別冊』として初めて登場し、後に『アルシャードff』の発売に合わせて文庫版としても刊行されました。

概要

リプレイは、初代『アルシャード』のルールを基にしつつも、文庫版では『アルシャードff』に準拠した内容に修正されており、そのために『アルシャードffリプレイ』というサブタイトルが持たれています。井上は彼の後書きの中で、菊池がTRPGをする読者に対して強い影響を与える存在であることを強調しており、そのために彼にリプレイを執筆してもらうことが必要だったと明言しています。このリプレイは、ジュブナイル冒険小説のような雰囲気を持ち、王道の冒険を描いています。

最初は『AGマガジン』に連載される予定でしたが、隔月誌が急遽休刊したため、全編が『ゲーマーズ・フィールド別冊』に収録されました。菊池と井上が共同作業を行うのはこれが初めてでしたが、その後の仕事で菊池は『アルシャード』のシステムがより洗練される必要があると気付き、井上に汎用化を勧めたと言われています。

あらすじ

物語は古代の超絶戦艦「グングニル」を巡ります。この戦艦は神々の王オーディンの名を持ち、その起動には「主」と呼ばれる者が必要です。真帝国は、この「主」の資格を持つ少女フレアを悪用しようとしています。フレアはアッシュという少年の幼なじみで、彼女が帝国によってさらわれたことでアッシュは彼女を救うため立ち上がります。

アッシュは、自らの目的を持つ仲間たちと共に帝国の艦隊に立ち向かいます。その道中、彼は帝国の士官レベッカと出会いますが、彼女はフレアと瓜二つの姿を持っており、アッシュは驚きと困惑を覚えます。物語は、アッシュたちがグングニルへの道を進む中で、フレアとレベッカに隠された秘密を解き明かし、数々の試練を乗り越えていく様子を描いています。

登場人物

プレイヤーキャラクター

• - アッシュ: トレジャーハンターの少年で、フレアを助けるために仲間と共に真帝国軍に立ち向かう。彼の夢はアルフの埋蔵金を探すこと。苦しい状況ながらも仲間を信じて奮闘します。
• - シド: ドウェルグの空賊で、過去の因縁からアッシュと手を組みます。レベッカへの復讐心を胸に戦います。
• - ヴィオレット: 古代の戦闘人形であり、フレアを守るために目覚めた存在。彼女の能力は非常に高く、仲間を支えます。
• - リナ・ザウルクス: 謎を秘めた過去を持つ女エージェントで、彼女の才能は仲間たちの頼もしい武器となります。

ノンプレイヤーキャラクター

• - フレア: アッシュの幼なじみで、グングニルの「主」の資格を持つ存在。しかし、彼女は自身の出生に隠された秘密を知らずにいた。
• - レベッカ: 帝国軍の士官であり、フレアと似た容姿を持つ人物。彼女には意外な過去が隠されています。

作品の魅力

本作は、命懸けで仲間を助ける少年アッシュを中心に、友情と冒険の物語が展開されます。また、シンプルで分かりやすいプロットの中にもキャラクター同士の関係性や感情が豊かに描かれ、このリプレイによって『アルシャード』の世界観がさらに深まります。加えて、イラストとともに息づく生き生きとしたキャラクターたちが、読者を物語の中へ引き込む要素となっています。

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