カオスエンジェルズ
『カオスエンジェルズ』は、
1988年にアスキーから発売された
PC-8800シリーズ用のアダルトRPGです。後に
MSX2、
PC-9800シリーズにも移植されました。アスキーとしては最後の
アダルトゲームとして知られています。
ゲーム概要
本作は、『
ウィザードリィ』のような
3DダンジョンRPGをベースにしています。最大の特徴は、登場するモンスターが全てアニメ調で描かれた可愛らしい少女である点です。プレイヤーはダンジョンを探索し、モンスターの少女を倒して、体力が残っている場合は彼女たちを「襲う」ことができます。当時の作品のため、過激な描写は控えめですが、一定のアダルト要素を含んでいます。また、一部のモンスターは特殊能力を持っており、襲うことでその能力を主人公が習得できます。
あらすじ
主人公は、月に照らされると姿を現し、最上階で全ての願いが叶うという伝説の「ウロボロスの塔」を目指し、長い旅の末に北の砂漠に辿り着きます。砂漠で砂嵐に巻き込まれるも、月明かりによって塔が出現。彼は塔の最上階を目指し、単身で内部へと足を踏み入れます。
塔の中で主人公は、設計者である「北の国」の王子ゼスの日記を発見します。日記には、生まれつき優秀な
魔法使いである13歳のゼスが、その魔法を疎み、若さを保つために塔を設計し、父親に作らせた経緯が記されていました。また、塔の中で使用したアイテムが満月や新月になると復活する現象は、塔にかけられた魔法によるもので、満月と新月ごとに時が半月だけ戻るためだと判明します。
さらに、約200年前に塔に侵入した賢者ハーンの落書きから、王子ゼスと32人の侍女は永遠の若さを保つはずだったが、輪廻の魔法が不完全だったために精神が変容し、モンスター化したことが明らかになります。
モンスター・
スフィンクスと化した賢者ハーンとの出会いを経て、主人公はゼス王子の父・カウス13世の亡霊から塔の破壊を依頼されます。そして、塔の頂上で魔物と化した王子を倒し、輪廻の魔法の源を破壊。塔は崩壊し、モンスター化した王子や侍女たちは元に戻ります。主人公は彼らのオアシスでの新生活を支援しますが、作物が実り始める頃に静かに去っていきます。
操作方法
基本操作
- - 塔の外にはテントがあり、休息、セーブ、ロードが可能です。
- - 塔の中は3Dダンジョン探索型で、壁が厚いタイプです。
- - 移動はテンキーを使用(2468キーが下左右上に対応)。
- - 上:前進、左右:方向転換、下:後退。
- - 壁や台座に向かって前進すると蹴り飛ばします。
- - メニューはファンクションキーで表示され、状況に応じて選択肢が変わります。
戦闘
- - モンスターとの接触は2パターン:1ブロック先に現れるか、同一ブロックに突然現れるか。
- - 1ブロック先に敵がいる場合:前進で接敵(先制攻撃)、後退で回避、左右で相手に委ねる(敵の先制攻撃)。
- - 同一ブロックに敵が現れた場合:不意打ちとなり敵の先制攻撃。
- - 戦闘中の基本操作:上は攻撃、左右は方向転換、下は後退(撤退)。
- - 撤退は必ず成功するとは限りません。壁を背にすると失敗、扉を背にすると成功します。
特殊能力
- - 一部の敵は戦闘後に「襲う」ことで、特殊能力を習得できます。
- - 敵を倒した状態で体力が残っていれば、上キーで襲うことができます。
- - 既に特殊能力を持っている場合、上書きされるか失われます。
- - 特殊能力は使用回数に制限があります。
主人公のパラメータ
- - HIT POINT (HP):ダメージ耐性。0以下になると倒れます。
- - EXPERIENCE (EXP):経験値。1000溜まるとレベルアップ。
- - VITALITY (VIT):体力。移動や魔法、攻撃で変動。敵を襲える回数に影響。
- - Level (Lv):レベル。最大20。ステータス画面でのみ表示。
登場キャラクター
武器
ダガー、ショートソード、青龍刀、細身の剣、ロングソード、
ドラゴンソード、ツーハンデッドなど。
防具
レザーアーマー、ヘビーアーマー、チェインメール、鉄の胸当て、ハードプレート、プレートメール、ブリガンティなど。
魔法
SONIC、EXIT、HEAL、EXHEAL、SWIM、UNDEAD、DOWN、DEATH、防犯の魔法など。
特殊能力
魔法攻撃、体力回復、歌声攻撃、水中呼吸、分身など。
その他のアイテム
宝石の付いたアイテム、イモリの黒焼き、耳栓、伝説の宝剣エクスカリバー…のイミテーション、梯子、雄蛙の像、雌蛙の像、センスオブデス、魔法のペン、王子の日記など。
スタッフ
- - シナリオ・プログラム:小松浩章
- - グラフィック:上野健司(Y人)
- - 音楽:原田雅司
- - パッケージイラスト:明貴美加
エピソード
- - ゴールドドラゴンは当初バハムートとして設定されていた。
- - 『2』の企画があったが、アスキーの評価により頓挫した。
関連情報