カタル

カタルとは、感染症の結果として生じる粘膜の腫脹と、粘液と白血球から構成される濃い滲出液を伴う病態を指します。これは、単なる炎症反応を超え、特有の症状と経過を示す状態です。

カタルが認められる部位と関連疾患

カタルは、一般的に風邪や胸部の疾患による咳と関連して認められることが多いですが、それ以外にも、アデノイド、中耳、副鼻腔、扁桃、気管支、胃、大腸など、様々な部位に発生する可能性があります。具体的な関連疾患としては、以下のようなものが挙げられます。

カタル性口内炎
滲出性中耳炎（中耳カタル・耳管カタル）
カタル性虫垂炎
胃カタル（胃炎）
腸カタル・大腸カタル
肺尖カタル（肺尖部の結核性炎症）

カタルによる問題点

カタル性の滲出液は、体外に排出されることもありますが、狭窄を引き起こし、管腔を閉塞させてしまうことがあります。また、炎症が慢性化すると、症状が長期間にわたって持続し、患者のQOL（生活の質）を著しく低下させる可能性があります。

特に、カタルによる閉塞は、以下のような状況において不快感の原因となることがあります。

エレベーター
飛行機
高地への旅行
遊泳などの圧力変化を伴う活動

これらの状況下では、カタルによる閉塞が関与する頭部の圧力変化が起こりやすく、気圧障害を引き起こす可能性があります。気圧障害は、比較的浅い水深（1.2m程度）でも発生することがあるため、注意が必要です。

語源

「カタル」という言葉は、古代ギリシア語のκαταρρεῖν (katarrhein)に由来します。この語は、「kata-」（減少）と「rhein」（流れ）という2つの要素から構成されており、文字通りには「下へ流れる」という意味合いを持ちます。

その他
カタル性炎症はアレルギーや花粉症、鼻炎とも関連があります。重篤なものとして悪性カタル熱という病気も存在します。

関連項目

カタル性炎症
アレルギー
花粉症
鼻炎
* 悪性カタル熱

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