カーリット

カーリットは、過塩素酸アンモニウムを主成分とする爆薬の一種です。酸化剤として過塩素酸アンモニウムが用いられ、燃焼剤としてはフェロシリコンと木粉が使用されます。重油は、これらの成分を結合させるための結合剤として添加されています。

特徴

カーリットの大きな特徴は、化学的に安定であるという点です。自然分解しにくいため、長期保存が可能であり、取り扱いも比較的容易です。この安定性から、鉱山や土木工事などの発破作業において広く利用されてきました。

種類

日本では、カーリットの成分配合の違いによって、黒、紫、樺、藍、青など、様々な色で区別される種類のものが製造・販売されていました。これらの種類は、それぞれ爆発力や燃焼速度などが異なり、用途に応じて使い分けられていました。

歴史

カーリットは、スウェーデンのO・B・カールソンによって発明されました。その名前は、発明者のカールソンにちなんで名付けられています。日本においては、浅野総一郎が1916年にスウェーデンのカーリット社から製造販売権を取得し、日本カーリット株式会社が製造を開始しました。日本カーリットは、日本におけるカーリット爆薬の生産の先駆けとなり、日本の産業発展に貢献しました。

成分

発明当初のカーリットの処方は以下の通りです。

過塩素酸アンモニウム：75%
フェロシリコン（Si 90%以上）：16%
木粉：6%
重油：3%

関連事項

日本カーリット：日本でカーリット爆薬の製造を先駆け、現在も様々な化学製品を製造・販売しています。
コンポジット推進薬：カーリットと同様に過塩素酸アンモニウムを酸化剤として使用する推進薬です。ロケットの推進力として利用されています。

カーリットは、その安定性と爆発力から、日本の近代化に大きく貢献した爆薬の一つと言えるでしょう。

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