キコ・ルーレイロ

キコ・ルーレイロ：メタル界の至宝

キコ・ルーレイロ（Kiko Loureiro）は、1972年6月16日生まれ、ブラジル出身のギタリストです。本名はペドロ・エンリケ・ルーレイロ（Pedro Henrique Loureiro）。彼は、スラッシュメタルバンド、メガデスのギタリストとして、そしてヘヴィ/パワーメタルバンド、アングラの中心人物として世界的に知られています。

アングラでの活躍

ラファエル・ビッテンコートと共にアングラの中心メンバーとして活躍しました。アングラは1991年11月にブラジルで結成されたパワーメタルバンドで、キコはその結成当初からギタリストとしてバンドを支え、その音楽性を確立する上で重要な役割を果たしました。

メガデスへの加入と脱退

2015年、キコはメガデスの新作レコーディングに参加。その後、正式メンバーとして加入し、大きな話題となりました。アングラでの活動も継続していましたが、2018年にアングラを正式に脱退。2023年9月には、家族との時間を優先するため、メガデスの北米ツアーへの不参加を発表し、その後、2024年以降のツアーにも参加しない意向を表明しました。メガデスの中心人物であるデイヴ・ムステインは、キコの決断を全面的に支持する声明を発表しています。2023年末には、メガデスから正式に脱退。

ソロ活動

キコはソロアーティストとしても精力的に活動しており、数多くのアルバムをリリースしています。彼のソロ作品は、HR/HMはもちろんのこと、ボサノヴァやジャズなど、幅広い音楽性を取り入れているのが特徴です。

音楽性

キコの音楽性は、ヴァン・ヘイレン、イングヴェイ・マルムスティーン、ブラック・サバス、スティーヴ・モーズ、アラン・ホールズワース、ジョージ・リンチ、ヴィヴィアン・キャンベルなど、様々なギタリストやバンドからの影響を受けています。また、クラシック音楽にも造詣が深く、過去には音楽雑誌でJ.S.バッハのフーガを両手タッピングで演奏する課題を出すなど、その知識の深さを示しています。2001年ごろにはイタリアへ音楽修業に赴き、ユーロビート作品に作曲・演奏で参加するなど、幅広いジャンルで活躍しています。

プレイスタイルと使用機材

キコのプレイスタイルは、フルピッキングによる速弾きやレガートなどのテクニカルなプレイに加え、両手タッピングを駆使した独特の奏法が特徴です。特に、ギターソロで指板を縦横無尽に駆け巡るタッピングは、彼のトレードマークとも言えるでしょう。また、バラード曲で伴奏としてタッピングを使用するなど、アイデアマンとしても知られています。

ピックの持ち方も独特で、大きめのティアドロップ型のピックを端をつまむようにして持ちます。

メインギターは、ブラジルのギターメーカー「TAGIMA」のギターを愛用しています。2005年頃からはESP製のシグネイチャーモデルも使用していましたが、後にIbanezとエンドースメント契約を締結し、自身のシグネイチャーモデルが登場しました。使用アンプはレイニー、ブルネッティ。ライブ時の機材は、ワウ、ブースター、ディレイ程度と比較的シンプルです。

ギターケーブルはブラジルのSanto Angelo社より自身初のモデルが発売されています。

ディスコグラフィー

ソロアルバム

ノー・グラヴィティ No Gravity (2005)
ウニヴェルソ・インヴェルソ～キコ・ルーレイロのブラジリアン・ジャズ・グループ的観点の紹介 Universo Inverso (2006)
フルブラスト Fullblast (2009)
サウンズ・オブ・イノセンス Sounds of Innocence (2012)
オープン・ソース Open Source (2020)
セオリー・オブ・マインド Theory Of Mind (2024)


キコ・ルーレイロは、その卓越したギターテクニックと幅広い音楽性で、これからも多くのファンを魅了し続けるでしょう。

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