キッチン南海

キッチン南海：受け継がれる大衆洋食の味

キッチン南海は、東京を中心に展開する洋食店です。特にカレーライス、カツカレー、生姜焼き、各種揚げ物・フライを中心としたメニュー構成で知られています。各店舗でメニューや価格に違いがあるのも特徴です。

歴史

1960年、南山茂氏が東京都千代田区飯田橋で創業。1966年に神田神保町へ移転しました。店名の由来は南山氏がファンであった南海ホークスからで、チームカラーの緑色が看板にも使用されています。

昭和40～50年代には、学生街での麻雀ブームに乗じて、神保町周辺の雀荘へ出前を行う支店を5店舗展開。ブーム終息とともに支店は閉店しましたが、その資金を元に本店の改築が行われました。

「大衆的な値段」という唯一の条件で暖簾分けを許可していたため、神田神保町の本店から独立した料理人が都内や近県に多数の「キッチン南海」をオープンしました。

本店の歩みと現在

神田神保町の本店は、出版社が多い地域柄、編集者や作家など多くの文化人に愛されました。文芸評論家の福田和也氏は、著書で同店を「神保町の顔」「文化財」と評しています。

本店では、近隣の雀荘への出前サービスも行っていました。しかし、入居していたビルが老朽化し、店主の高齢化も重なり、2020年6月26日に惜しまれながら閉店しました。

その後、本店の料理長を務めていた店主の親族が独立し、同年7月29日に新・神保町店をオープン。この新店舗は、店主最後の暖簾分け店となりました。

各地の派生店

キッチン南海から暖簾分けされた各店舗は、東京を中心に様々な場所で営業しています。

駒場店: 京王井の頭線駒場東大前駅近くの商店街にあり、東大生や近隣住民に親しまれています。
下北沢店: 名物の「ハンバーグライス」は、手作りハンバーグに目玉焼きが添えられた人気メニューです。
祖師ヶ谷店: 黒いカレーが名物。メンチカツやクリームコロッケをトッピングしたカレーライスも人気です。
キッチングリーン: 祖師ヶ谷大蔵駅近くにある「キッチングリーン」は、キッチン南海神田で修行したオーナーが経営。黒いカレーに加え、生姜焼きや豊富な揚げ物メニューが楽しめます。
高田馬場店: 自動券売機で食券を購入するスタイル。味噌汁や目玉焼きが付くメニュー、ハンバーグライスが人気です。
早稲田店: [早稲田大学]]近くの店舗は「ヤング南海」とも呼ばれ、学生に親しまれています。メンチカツやみそかつも提供しています。早稲田大学周辺の「キッチンオトボケ」「[[わせだの弁当屋]」と共に「三大油田」と呼ばれていました。

店舗網（営業中）

神保町店
駒場店
下北沢店
高円寺店
上井草店
キッチンニュー南海（西川口）
松本店
カレーの南海（祖師谷）
キッチングリーン(祖師谷)

閉店・移転した店舗

数多くの店舗が閉店・移転しています。

旧神保町本店
井荻店
小川町店
上石神井店
下井草店 (馬場南海へ移転)
蔵前店
経堂店
千歳船橋店
豪徳寺店
武蔵関店
キッチンニュー南海 神楽坂店 (キッチンヨッチへ移転)
沼袋店
守谷店
つくば店
東池袋店
南池袋店
馬場南海
向ヶ丘遊園店
早稲田店
両国店
梅ヶ丘店
* 渋谷店

キッチン南海は、時代とともに変化しながらも、大衆的な価格で美味しい洋食を提供するという創業者の精神を受け継ぎ、多くの人々に愛され続けています。

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