グリューワイン

グリューワイン：温まるスパイス香る冬のホットカクテル

グリューワイン（Glühwein、グリューヴァインとも呼ばれる）は、ワインを温めてスパイスを加えたホットカクテルです。クリスマスの時期、ドイツやフランスをはじめとするヨーロッパ諸国では、各地のクリスマスマーケットなどで多くの人々に楽しまれています。日本では「ホットワイン」と呼ばれることもありますが、これは和製[[英語]]で、英語では「mulled wine（マルドワイン）」と呼ばれます。イタリア語では「vin brulé（ヴィン・ブルレー）」、フランス語では「vin chaud（ヴァン・ショー）」と呼ばれ、いずれも「温めたワイン」を意味します。

グリューワインの特徴と作り方

グリューワインは、一般的には赤ワインをベースとして作られますが、白ワインを使用するものもあります。オレンジピール、シナモン、クローブといったスパイスの他に、砂糖や蜂蜜を加え、優しく温めて作ります。カフェなどでは、エスプレッソマシンに備わった機能を利用して、瞬時に温めることでアルコール分を飛ばさずに提供する技術も用いられています。

ドイツなどでは、グリューワイン用のミックススパイスが市販されており、手軽に本格的な味わいを再現できます。近年では日本でも、こうしたミックススパイスや瓶詰めのグリューワインが輸入され、手軽に楽しむことができるようになりました。

温める過程でアルコール分の一部は揮発しますが、よりアルコール度数を高めたい場合は、ラム[[酒]]などの蒸留[[酒]]を少量加えることもあります。蒸留[[酒]]を加えたグリューワインは「グリューヴァイン・ミット・シュス（Glühwein mit Schuss）」（「(蒸留[[酒]]を)一振り加えたグリューワイン」の意）と呼ばれます。

白ワインを使うグリューワインは、アルザス地方など白ワインの産地で特に見られ、「ヴァン・ショー・ブラン（vin chaud blanc）」と呼ばれます。シナモンは加えず、砂糖やレモンの薄切りなどを加えてアレンジされることが多いです。

材料とバリエーション

グリューワインに使用される材料は多岐に渡り、スパイスの種類や分量、甘さの調整によって、様々な味わいが楽しめます。代表的な材料には以下のものがあります。

ワイン（赤ワイン、白ワイン）
オレンジピール
シナモン
クローブ
ローリエ
ナツメグ
バニラ
アニス
スターアニス
ローズマリー
タイム
オールスパイス
カルダモン
ショウガ
クレメンタイン（マンダリンオレンジの一種）
レモン
ライム
砂糖
蜂蜜

グリューワインに似た飲み物

世界には、グリューワインと似た風味や製法を持つ飲み物が数多く存在します。

グロッグ (Glogg/Gløgg): 北欧諸国で親しまれる、グリューワインと同様のホットワイン。ラム[[酒]]などを加えることもある。
フォイアーツァンゲンボウレ: ドイツの伝統的なホットワインカクテル。大きな容器にワインとスパイス、柑橘類の皮を入れ加熱し、砂糖にラム[[酒]]をかけて火をつける演出が特徴的。
キンダープンシュ: アルコールを含まない、葡萄ジュースベースのグリューワイン風ソフトドリンク。子供向けに作られている。
屠蘇: 日本のお正月に飲まれる、薬味入りの酒。シナモンやショウガなど、グリューワインと共通するスパイスを使用する。
イエーガーテー: オーストリア発祥のホットパンチ酒。紅茶とラム[[酒]]をベースとする。

これらの飲み物と同様に、グリューワインは、寒い季節に温まり、心身をリラックスさせてくれる、心温まるホットドリンクです。その多様なバリエーションと奥深い味わいは、人々に長く愛され続ける理由と言えるでしょう。

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