コブラツイスト

コブラツイスト（Cobra Twist）

コブラツイストは、プロレス技の一種で、特にストレッチ技として知られています。日本国内ではアバラ折りとも呼ばれ、海外ではアブドミナル・ストレッチまたはグレイプヴァインと称されています。また、メキシコのルチャリブレでは、この技に類似したものがティラブソン（Tirabuzón）と呼ばれています。主に相手の動きを封じ込めるための効果的な技で、多くのレスラーに用いられています。

基本的な動作の流れ

コブラツイストの基本的な実施方法は、まず相手の左足に自分の左足を絡め、さらに右腕の下を通して自らの左腕を相手の首の後ろに巻きつけます。その体勢から、背筋を伸ばしながら力を加えます。両手でクラッチをすることで、技の威力はさらに強化されます。この技の創始者は、ベネズエラ出身のレスラーであるサイクロン・アナヤで、彼は「アナヤズ・ストレッチ」としてこの技を使用していました。アナヤは有名なレスラー、ルー・テーズからギブアップを奪った実績も持っています。

歴史と背景

コブラツイストは、アナヤと同時期またはその後に活躍したディック・ハットンも使用していましたが、技の発展にはアナヤの影響が強いとされています。日本においては、吉原功がこの技を最初に使用したとも言われており、日本のプロレス界に多大な影響を及ぼしました。特にアントニオ猪木がこの技をフィニッシュ・ホールドとして用いたことで、コブラツイストは広く普及しました。日本のプロレスファンの間では、コブラツイストは「アントニオ猪木の代名詞」として知られています。しかし、猪木のライバル、ジャイアント馬場が派生技の卍固めを使用したことが影響して、他のレスラーもコブラツイストから派生した技を用いるようになりました。

特徴と技術的な要素

コブラツイストは、足が短い選手にも適用可能ですが、身体が硬い選手や動きに制約がある選手には向かないことがあります。実績として、獣神サンダー・ライガーが自身のYouTubeチャンネルでその難しさについて言及しており、特定の体型や柔軟性によって技が掛けづらいことがあると述べています。さらに、この技には多くの派生技があります。

派生技について

拷問コブラツイスト

この技は、コブラツイストをさらに極めつつ、手で相手の頭を押し下げることでダメージを強化するものです。全日本プロレスで有名なジャンボ鶴田や渕正信など、多くの選手がこの技を使用しました。

グラウンド・コブラツイスト

こちらは、マット上でコブラツイストをかける方法です。特にアントニオ猪木も引退試合で使用したことがあり、総合格闘技においても十分に通用する技だとされています。ブラジリアン柔術やグラップリングの分野では「ツイスター」として知られ、エディ・ブラボーなどの著名な使用者がいます。

アームロック式や変形技

様々なアームロックを絡めた技なども存在し、リストクラッチ式コブラツイストやアイアン・クロー式コブラツイストなど、多くのバリエーションがあります。これらの技は相手の動きを制限し、戦況を有利に導くための有効な手段となります。

代表的な使用者

コブラツイストをよく使用するレスラーは、アントニオ猪木やジャイアント馬場、藤波辰爾、そして多くの他のレスラーに及びます。特に腕極め式やストレッチポジションでの使用が顕著に見られ、各選手が独自のスタイルで技を表現しています。

結論

コブラツイストは、プロレスの中で極めて重要な技であり、多くの選手によって今日も受け継がれています。技の有効性や多様性から、多くのファンに親しまれており、プロレス界の魅力を広げる要素の一つとなっています。

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