コンビニコーヒー

コンビニコーヒーとは

コンビニコーヒーは、日本のコンビニエンスストアのレジカウンターで販売される、カップ入りのコーヒーのことです。購入客自身がコーヒーマシンで抽出するセルフサービス方式が一般的で、手軽に淹れたてのコーヒーを味わえることから、幅広い層に支持されています。

歴史

日本

1980年代からコンビニ各社は店頭でのコーヒー提供を模索していましたが、なかなか定着しませんでした。セブン-イレブンは特に、早い時期からセルフ式のコーヒーマシンを導入しましたが、成功には至りませんでした。2000年代に入り、2002年にセブン-イレブンが「バリスターズカフェ」を展開し、一定の成功を収めましたが、業績は伸び悩みました。

2011年以降、ローソン、ファミリーマートがカフェラテの販売を開始し、2013年1月にセブン-イレブンが「セブンカフェ」をスタートさせると、大ヒットを記録しました。2014年には、JR東日本系の駅ナカコンビニであるNewDaysも「EKI na CAFE」として参入し、コンビニコーヒーは一気に普及しました。

2013年には、セブンカフェが日経ヒット商品番付で東の横綱に選ばれ、コンビニコーヒー全体が日経トレンディのヒット商品ベスト30で1位を獲得するなど、社会現象となりました。

台湾

台湾では、1986年にセブン-イレブンがセルフコーヒーの販売を始めましたが、短期間で撤退しました。その後、コーヒーの需要の高まりを受け、2004年に台湾のセブン-イレブンが「City Cafe」として再導入しました。

影響

コンビニコーヒーの普及は、日本国内のコーヒー消費量増加に大きく貢献しました。2013年には6年ぶりに過去最高を記録し、2014年もそれを上回る消費量となりました。当初、既存のカフェやコーヒーチェーンへの影響は少ないと見られていましたが、実際には、スターバックスやドトールなどのカフェ、マクドナルドなどのファストフード店、缶コーヒー市場にも影響を与え、競争が激化しています。

2015年には、総務省が消費者物価指数にコンビニコーヒーを加えるなど、社会への浸透度が増しています。

評価

コーヒー評論家の川島良彰氏は、コンビニコーヒーの味について「総じて酸味を抑えている」と分析し、「万人に受け入れられる味を目指した結果」と評価しています。また、原価は12〜13%と推測し、コーヒー豆の輸入価格変動への対応が課題としています。

その他

窃盗

コンビニコーヒーのセルフ方式を悪用し、通常サイズ料金でラージサイズのカフェラテを盗むという事件が発生しています。これは、コーヒーマシンの裏側に、どのサイズを抽出しているかがわかるランプがあるにも関わらず、顧客が自己申告である事を悪用した行為です。

販売

コンビニコーヒーは、主に街中のコンビニエンスストアで販売されています。

各社の展開

セブン-イレブン

富士電機と共同開発したコーヒーマシンを導入し、「セブンカフェ」ブランドで展開しています。1店舗あたり1日平均120杯を売り上げ、年間700億円以上を売り上げるほどの人気です。

ローソン

セブン-イレブンと同様に、過去にセルフのコーヒーマシンを導入していましたが、現在はレジ担当が操作する対面販売を基本としています。スタッフの育成に力を入れており、「ファンタジスタ」と呼ばれる社内資格制度を設けています。近年では、一部店舗でセルフ方式も再導入しています。1店舗あたり1日平均100杯程度を販売しています。

ファミリーマート

ドイツ製のエスプレッソマシンを導入し、「ファミマカフェ」ブランドで展開しています。コーヒーだけでなく、紅茶や抹茶ラテ、フラッペなどにも力を入れています。1店舗あたり1日平均9000円を売り上げています。

サークルK/サンクス

「サークルKサンクス」時代には、キューリグ・エフィー社の「K-Cup」専用カートリッジ方式を採用していましたが、ファミリーマートとの合併に伴い、順次「ファミマカフェ」のマシンに更新されています。

ミニストップ

ドリップ方式で提供し、「MINISTOP CAFE」ブランドを展開しています。ホットコーヒーはアメリカンがあったり、一部店舗ではフェアトレードコーヒーも取り扱っています。アイス[[コーヒー]]は、店員が氷をカップに入れて提供する方式です。イオングループの店舗では「イオンドリップカフェ」として展開しています。

駅ナカ

NewDays (NEWDAYS)

「EKI na CAFE」として展開しており、店舗によってエスプレッソマシンかポット抽出か異なります。コーヒー豆はドトールから供給を受けています。また、コーヒーだけでなく、「Eki Rich」「Sweet Life」として展開していた菓子類も「EKI na CAFE」ブランドに統合しています。

ベルマート

東海キヨスクが運営するベルマートの一部店舗では、ジョージアブランドのコーヒーサーバーで提供されるコーヒーやドーナツなどを提供しています。

関連項目

* ドーナツ戦争: コンビニコーヒーブームに乗じて、各コンビニがドーナツを売り出した動き。

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