ゴーディー

ゴーディー：地方競馬のレジェンド、その長く輝かしい軌跡

2008年4月5日生まれの競走馬ゴーディーは、日本の地方競馬、特に大井競馬場を舞台に長く活躍した名馬です。その競走生活は、デビューから引退まで数々のドラマを凝縮した、まさに地方競馬史に刻まれるべき物語でした。

2010年7月、大井競馬場での2歳新馬戦でデビュー。初戦は惜しくも2着に終わりましたが、続くレースで初勝利を挙げます。その後は特別競走や準重賞で安定した成績を残し、着実に力をつけていきました。南関東の三冠路線や夏の重賞では思うような結果を残せませんでしたが、9月のサファイア賞と10月のムーンライトカップを連勝し、A級クラスに昇格。才能の片鱗を見せつけました。

2012年、初夢賞で4勝目を挙げると、勢いに乗って臨んだサンタアニタトロフィーでは見事重賞初制覇。2番手から押し切る力強い走りで、関係者を歓喜させました。しかしその後、1年以上休養を余儀なくされます。

2013年10月のムーンライトカップで復帰を果たすと、その後は勝ち星から遠ざかりながらも、オープン競走で上位争いを演じるなど、潜在能力の高さを示しました。2014年には武蔵野オープンで7勝目を挙げ、2016年には武蔵野オープンで2年ぶりの勝利。さらに同年のインタラクションカップ（韓国馬との交流競走）でも優勝を果たし、衰え知らずの力を証明しました。

9歳となった2017年、年齢を感じさせない走りで再び脚光を浴びます。ウインタースプリントで6着に敗れた後も、3戦連続で3着以内に入れませんでしたが、アルクツールス賞で2着に入賞。続く武蔵野オープンを制し、そして7月のサンタアニタトロフィーでは逃げ切り勝ちで5年ぶりの重賞制覇、自身2勝目を達成しました。この勝利は、鞍上の的場文男騎手にとっても最年長重賞勝利記録更新という快挙となりました。この活躍から、競馬ライターの高橋華代子氏はゴーディーを「宝馬」と称賛するようになりました。

その後もアフター5スター賞で2着に入るなど健闘を見せますが、秋以降は再び低迷。それでも、2017年度のTCK大賞特別賞を受賞。「息の長い活躍」が評価されたのです。

10歳、11歳と年齢を重ねても、ゴーディーの挑戦は続きました。オープン競走での入着を条件に翌年のA1クラス在籍を認められる特例規定を2年連続でクリアし、現役続行。11歳時には東京盃、東京大賞典といったダートグレード競走にも出走し、コパノキッキングに騎乗した藤田菜七子騎手との対比がメディアで報じられるなど話題を呼びました。

12歳となった2020年、7月のジュライ賞10着が最後のレースとなりました。通算104戦、大井競馬場での出走は99戦。11月10日、競走馬登録を抹消。引退後は大井競馬場の誘導馬になることが期待されていましたが、叶いませんでした。2023年12月現在、栃木県の乗馬クラブで第二の人生を送っているということです。

ゴーディーの血統は、父プレシャスカフェ、母イケノエメラルド、母の父コノミテイオーと、サラブレッドとアングロアラブの血を受け継いでいます。プレシャスカフェはゴーディーを含む16頭の産駒しか残さず、廃用となりました。母イケノエメラルドは、サラブレッドとの混合競走でも勝利を収めた活躍馬でした。

ゴーディーの競走生活は、地方競馬の激しさ、そして競走馬としての強靭さと、長く第一線で戦い続けることの困難さを物語るものです。その長く輝かしい活躍は、多くのファンに感動と勇気を与え続けました。地方競馬史にその名を刻んだレジェンド、ゴーディーの物語は、これからも語り継がれていくでしょう。

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