ザリア

ザリア

ナイジェリア北部、カドゥナ州に位置するザリアは、高原地帯に広がる重要な都市です。国内主要都市カノから南西へ約120キロメートルの地点に位置しており、2007年の推計によれば人口は100万人を超えています。古くは「ザザウ」として知られ、ハウサ人の歴史において語られる建国神話に登場する「原初七国」の一つとして、その名が挙げられる都市です。

歴史

ザリアの歴史は、13世紀頃にこの地域に住むハウサ人が都市国家を建設し始めた時代に遡ります。ザザウもその時期に都市として形成されたと考えられています。14世紀に入ると、ザザウはその勢力を著しく拡大し、一時はハウサ諸王国の中で最も強力な国家へと成長しました。しかし、15世紀頃には近隣に興ったケッビ王国の圧力により、かつての隆盛には陰りが見え始めます。

歴史の転換点となったのは、15世紀末の1490年代です。この頃、ザザウは近隣のカノやカツィナといった他の主要ハウサ都市と同様にイスラム教を受け入れました。これにより、北アフリカとのサハラ交易ネットワークに深く組み込まれることとなり、商業活動を通じて再び経済的な繁栄を享受するようになります。

19世紀初頭には、イスラム改革運動から台頭したソコト帝国がナイジェリア北部を席巻します。1805年、ソコト帝国の指導者によるジハード（聖戦）の波はザリアにも及び、都市は征服され、独立した国家としての地位を失いました。その後、20世紀に入ると、イギリスの植民地支配が及びます。1901年には、イギリスの利権会社であった王立ニジェール会社によって管理下に置かれ、イギリス領ナイジェリアの一部となりました。

経済

ザリアは、周辺の肥沃な土地で生産される様々な農産物の集散地として重要な役割を果たしています。特に、綿花、タバコ、そして食用となる雑穀やピーナッツといった作物がこの地に集められ、加工されたり国内外へと流通されたりする拠点となっています。農業関連の経済活動が地域経済の基盤を支えています。

教育

教育機関としては、国内でも有数の規模と歴史を誇るアフマド・ベロ大学がザリアにあります。この大学は1962年に設立され、ナイジェリアにおける高等教育と研究の重要な中心地の一つとなっています。多数の学部を持ち、国内外から多くの学生が集まるこの大学は、ザリアの文化・学術的な顔とも言える存在です。

ザリアは、古代のハウサ王国としての歴史的な重みと、現代のナイジェリアにおける農業・教育の中心としての役割を併せ持つ都市です。その豊かな歴史遺産と現在の活気ある活動は、ナイジェリア北部の重要な拠点としての地位を確立しています。

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