シムシティ2000

シムシティ2000：都市経営シミュレーションの金字塔

『シムシティ2000』は、1994年にマクシスから発売された都市経営シミュレーションゲームであり、シムシティシリーズの第二作目にあたります。前作の真上からの見下ろし視点から、斜め上からの視点へと変更されたことで、都市が立体的に表現され、より現実的な都市開発を体験できるようになりました。

ゲームの特徴

本作では、都市運営に必要な様々な要素が導入されました。水道、教育、健康といったインフラを整備し、条例を制定することで、より高度な都市経営が可能になりました。また、設置可能な施設が大幅に増加し、発電所だけでも9種類から選択できます。標高の概念が導入されたことで、起伏のある地形を生かした都市開発も可能になりました。

アルコロジーと呼ばれる未来的な居住施設は、本作の大きな特徴の一つです。数万人が居住可能な巨大なアルコロジーは、都市が成長すると宇宙に発射することもできます。家庭用ゲーム機版では、ハードウェアの制約から、オリジナルの建物や仕様が追加・変更され、各プラットフォームで異なる体験ができます。

登場する施設

本作には、都市を運営するために様々な施設が登場します。

電力

送電線
発電所：石炭発電所、水力発電所、石油発電所、風力発電所、ガス発電所、原子力発電所、ソーラー発電所、マイクロ波発電所、核融合発電所

水道システム

水道管
ポンプ
貯水槽
水処理施設
脱塩施設

本作の水道システムは、降水量や高低差が反映されるなど、後発の作品に比べて複雑なものとなっています。

道路

道路
高速道路
トンネル
ランプ
バス停留所

鉄道

線路
地下鉄
駅
地下鉄駅
地下鉄↔鉄道

地区

住宅地区（低・高密度）
商業地区（低・高密度）
工業地区（低・高密度）

商業地区と工業地区は見た目は変わりませんが、11種類の産業に分類されており、税率を調整することで工業のバランスを制御できます。また、道路の角に位置する地区には、大型の建物が建設できます。

港湾

海港
空港

教育

学校
大学
図書館
博物館

公共施設

警察署
消防署
病院
刑務所

娯楽施設

小公園
大公園
動物園
スタジアム
マリーナ

ボーナス

都市の発展に応じて、以下のボーナス施設が建設可能になります。
市長官邸（1,000人）
シティホール（1万人）
銅像（5万人）
ブラウンラマドーム（9万人）
新市庁舎（100万人）※SFC版のみ
テレビ局（200万人）※SFC版のみ
ロケット発射台（300万人）※SFC版のみ

アルコロジー

プリマス・アルコロジー：初期建設可能、公害発生量が多い
森林アルコロジー：人口は少ないが、公害発生量も少ない
ダルコ：芸術家によって設計された脱都市化アルコロジー
ラウンチ・アルコロジー：人口が一定以上の場合打ち上げ可能

その他

都市の人口が一定数に達すると、軍事基地の建設を問われます。地形に応じて、陸軍基地、海軍基地、空軍基地、ロケット発射台のいずれかが自動的に建設されます。

シナリオモード

本作には、予め定められた目標を一定期間内に達成するシナリオモードが用意されています。大半のシナリオでは災害が発生し、都市の復興が課題となります。

アトランタ：UFOの襲撃からの復興
バルセロナ：テロによる核爆弾の被害からの復興
チャールストン：台風の被害からの復興
シカゴ：公害で衰退した都市の工業を復興
ダベンポート：洪水被害からの復興
ダルスビル：小さな町を発展させる
フリント：景気後退で衰退した都市の工業を復興
ハリウッド：モンスターの襲撃からの復興
ホームステッド：台風の被害からの復興
ラスベガス：犯罪率を低下させる
マリブ：火炎流の被害からの復興
マンハッタン：原子力発電所のメルトダウンからの復興
オークランド：火炎流の被害からの復興
パリ：ガソリンを積んだトラックの爆発からの復興
ポートランド：噴火による火山出現からの復興
サンフランシスコ：大地震からの復興
シリコンバレー：マイクロ波の誤射による火災からの復興
ワシントンDC：暴徒化による都市破壊からの復興
東京：台風の被害からの復興

対応機種と特徴

本作は、様々なプラットフォームで展開されました。

パソコン版：ネットワークエディションでは、複数プレイヤーでの同時開発が可能でした。前作の都市データを変換して読み込むことができます。
スーパーファミコン版：天候アニメーションの追加や、一部施設のグラフィック変更、プレゼント要素、独自のシナリオが特徴です。ロード時間が長く、ゲームの進行速度が遅いという欠点がありました。
セガサターン版：年代によって建造物のグラフィックが変化し、独自の要素として、市長の銅像がソニック・ザ・ヘッジホッグの銅像に変更されました。
PlayStation版：3Dで描画された都市を自動車で走り回れる「ドライビングモード」が追加されました。
NINTENDO64版：シナリオがなく、ミニゲームや未来的なグラフィックが追加されました。
Pocket PC版: 縦長のタッチスクリーンに最適化されたインターフェースが特徴です。

評価

本作は、各プラットフォームで様々な評価を受けています。スーパーファミコン版は、そのゲーム性から高い評価を得ていますが、ハードウェアの制約からくる処理速度の問題も指摘されています。セガサターン版は、スクロールの遅さが批判されていますが、その奥深さと中毒性が称賛されています。PlayStation版は、ドライビングモードやマウスサポートが評価されましたが、インターフェイスや解像度の低さを指摘されています。総じて、『シムシティ2000』は都市経営シミュレーションゲームの金字塔として、多くのゲーマーに愛されています。

関連商品

本作に関連する書籍やCDが多数発売されています。

書籍

シムシティ2000 公式ガイドブック
シムシティ2000 for WINDOWS 公認ガイドブック
シムシティ2000 ゲームコンパニオンシリーズ
公式 シムシティ2000 攻略ハンドブック
シムシティ2000 パーフェクトガイド
シムシティ2000 スーパーガイド
シムシティ2000 テクニカルファイル
シムシティ2000 戦略と秘密
シムシティ2000 公式コンストラクトファイル
シムシティ2000 公式ガイドブック シナリオ&マップ編
シムシティ2000 公式ガイドブック マスター編

CD

SIM-MELODY from SIM CITY 2000

参考文献

アスキー出版局月刊ファミコン通信編集部『シムシティ2000公式ガイドブック』アスキー、1995年
* シムシティ都市問題研究所『シムシティ2000 公式コンストラクトファイル』新紀元社、1995年

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