じんだい

じんだい（Magnetic Bearing Flywheel Experimental System - MABES）

じんだいは、日本が製造した磁気軸受フライホイールを用いた実験を行う人工衛星であり、主に旧航空宇宙技術研究所（NAL、現・JAXAの航空技術部門）が関与しています。この衛星は1986年8月13日に日本の種子島宇宙センターから、 NASDAのH-Iロケット1号機によって打ち上げられました。じんだいは、同じく打ち上げられた本務衛星「あじさい」と、日本のアマチュア無線団体によるアマチュア衛星「ふじ」との相乗りペイロードとして搭載され、宇宙へと旅立ちました。

この衛星の特異性を際立たせる要素は、無重量状態での磁気軸受フライホイール実験を行うことでした。じんだいは、通常の衛星とは異なり、充電機構を有しておらず、二次電池を搭載していたため、一定期間の運用の後にはシステムがシャットダウンされました。実験が完了するまでの間、無重量環境での実験を通じて、磁気軸受フライホイール技術に関する貴重なデータを収集しましたが、実験後の軌道変更は施されず、今日でも低軌道を周回しています。

じんだいの名前は、開発組織であるNALの近くに位置する深大寺から名付けられました。このことからも、支援する研究機関との密接な関係が伺えます。じんだいが打ち上げられた当時、宇宙科学研究における重要なステップと見なされ、その後の技術発展に寄与したと評価されています。

実験装置としてのじんだいの電源は、限られたバッテリーに依存していたため、実験が終わると同時に運用は終了しました。しかし、比較的長い間、地球の軌道を周回し続け、宇宙空間での経験は後の研究において貴重な資産となりました。じんだいのデータは、将来的な磁気軸受の技術向上に向けた、役立つ資源として位置付けられています。

じんだいの一連の実験結果は、さまざまな研究者によって参照され、今後の宇宙ミッションに向けた新たな布石となると期待されています。また、日本の人工衛星開発の歴史において、じんだいは重要な役割を果たし、その後のプロジェクトへとつながる技術基盤を築きました。今でも、じんだいは宇宙の片隅で、その存在を保ち続けており、過去の成果を語り継ぐ重要な衛星の一つと言えるでしょう。

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