ストリートファイターEX

ストリートファイターEXシリーズ

『ストリートファイターEX』は、アリカが開発し、カプコンが発売した対戦型格闘ゲームのシリーズで、その第1作目にあたるタイトルです。本作は『ストリートファイター』シリーズ初の3Dポリゴンによるグラフィックを採用しつつも、従来の2D対戦型格闘ゲームのゲーム性をしっかりと引き継いでいます。この革新が後の『ストリートファイターIV』などのシリーズ作品に影響を与え、3D技術の進化の重要な一歩となりました。

開発と背景

アリカは、著名なゲームデザイナーである西谷亮が設立した企業であり、彼は『ストリートファイターII』の開発に深く関与していました。その影響もあり、『ストリートファイターEX』でも独特のスタイルが生まれました。本作では、勝利時のセリフが日本語に統一されており、他のシリーズで英語を話すキャラクターも日本語でのセリフが用意されています。

シリーズの展開

業務用作品

1. ストリートファイターEX (1996年12月)
本作はPlayStation互換基板であるZN-1で登場し、演出に燃焼表現が含まれていないことが特徴です。ナレーションはカナダ出身のスコット・マッカラが担当。

2. ストリートファイターEX plus (1997年3月)
前作では使用できなかったベガやガルダが登場し、隠しキャラクターも最初から選択可能となりました。対戦バランスが調整され、スーパーコンボゲージの溜まり方も変更されています。

3. ストリートファイターEX2 (1998年5月)
今作では一部のキャラクターが追加され、システムに「エクセル」や「キャンセルブレイク」が導入されました。新たなゲームシステムでプレイヤーに新しい戦略性を提供しました。

4. ストリートファイターEX2 PLUS (1999年7月)
追加キャラクターや新システム「メテオコンボ」などが加わり、前作の演出が大幅に改変されました。

家庭用作品

1. ストリートファイターEX plus α (1997年7月)
PlayStationに移植された本作は、独自のモードや新キャラクターの追加を行い、アレンジBGMやエンディングムービーも収録しました。

2. ストリートファイターEX2 PLUS (1999年12月)
大型アップデートは行われず、家庭用独自の要素を加えた移植版が登場。全体的に改善が図られました。

3. ストリートファイターEX3 (2000年3月)
タッグバトルやキャラクターエディットが特徴のオリジナル作品がPlayStation 2の発売日に合わせて登場しました。

ゲームシステムの特徴

『EX』シリーズは、基本的に1レバー＋6ボタンの操作体系を踏襲しています。ゲームは3Dで表現されているものの、プレイ感覚は2Dで、特に立ち回りは『ストII』シリーズを意識したものとなっています。これにより、じっくりとした駆け引きが可能となり、新しいダッシュや移動手段の制限の中で戦略が求められます。

スーパーコンボゲージ

体力の下にはスーパーコンボゲージが設けられており、通常技を用いた攻撃や防御によってゲージが溜まります。特に『EX plus』以降は、ファーストアタックやリバーサルといった行動によってもゲージを獲得できるようになりました。スーパーコンボを使用する際には、ゲージを1ストック消費し、強力な攻撃を繰り出すことができます。

新システムの追加

ゲームの進化に伴い、新たなシステムも続々と登場しました。画面の中では無限のフィールドが展開され、プレイヤーがお互いを追い詰める戦いが行われます。また、コンボのバリエーションやキャラクター同士の相性を活かした戦略が重要とされています。特にエクセルやメテオコンボといった新たな要素は、戦術の多様性を広げており、プレイヤーのスキルが試されています。

キャラクターの多様性

登場キャラクターは非常に多く、リュウやケン、春麗、ガイルなどおなじみのキャラクターが再登場。新たに加わったキャラクターたちも魅力的で、多彩な技や個性豊かなバックストーリーを持っています。こうしたキャラクターの多様性が、プレイヤー同士の対戦をより刺激的にしています。

まとめ

『ストリートファイターEX』シリーズは、対戦型格闘ゲームの新たな可能性を開いた作品であり、3Dポリゴンを活用しながらも、従来のゲーム性を大切にした点が評価されています。今後のシリーズ作品にもその影響は色濃く残り、格闘ゲームの進化の歴史において重要な位置を占めています。

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