スミス・アンド・ネフュー

スミス・アンド・ネフュー：医療機器分野におけるグローバルリーダー

スミス・アンド・ネフュー社は、1856年にイギリスで創業された歴史ある医療機器メーカーです。創傷管理、内視鏡、整形外科という3つの主要分野に特化し、世界100カ国以上で事業を展開する多国籍企業として、ロンドン証券取引所とニューヨーク証券取引所に上場しています。

創業から成長への軌跡

その起源は、1856年、イングランド東海岸の薬剤師、トーマス・ジェームズ・スミス氏が最初の店舗を開設したことに遡ります。当初は包帯が中心でしたが、徐々にくる病、結核、リウマチなどの治療薬も扱うようになり、1880年代にはロンドンの病院にも製品が採用されるようになりました。

甥のホレイショ・ネルソン・スミス氏が事業に加わった後、第一次世界大戦中の戦時需要の高まりを追い風に、大きく成長を遂げます。1928年には、絆創膏ブランド「エラストプラスト」を開発（後に売却）し、1937年にはロンドン証券取引所に上場しました。

その後も、イギリス国内の関連企業の買収を続けながら成長を続けましたが、1968年にはユニリーバによる買収提案を退けました。1986年にはアメリカの整形外科機器メーカーであるリチャーズ・メディカル・カンパニーを買収するなど、積極的な事業拡大を続けています。

1998年には事業再構築を行い、創傷管理、内視鏡、整形外科の3分野を事業の中核と位置づけました。2000年には消費者向け事業を売却し、病院を顧客とするBtoB事業に特化することで、事業ポートフォリオを明確化しました。

2000年代に入っても、Oratec Interventions社やMidland Medical Technologies Ltd.、Plus Orthopedics Holding AG、BlueSky Medical Groupなどの買収を通じて、事業の拡大と多角化を積極的に推進しました。2014年にはArthroCare Corporationを買収し、2016年には婦人科部門をメドトロニックに売却するなど、事業戦略に基づいたM&Aを積極的に実行しています。

日本における展開

日本市場においては、1987年に日本法人を設立。その後、創傷管理、関節内視鏡、整形外科の3分野ごとに子会社を設立しましたが、2017年には再び統合され、現在ではスミス・アンド・ネフュー株式会社として、東京をはじめ全国各地で事業を展開しています。

現在と未来

スミス・アンド・ネフュー社は、常に革新的な医療技術の開発と提供に注力し、医療現場におけるニーズに応える製品・サービスを提供することで、世界中の患者さんの生活向上に貢献しています。歴史と実績を背景に、今後も医療機器業界をリードする存在として、さらなる成長と発展が期待されます。

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