スリック

スリックの概要

スリック（本名: Kenneth "Ken" Johnson）は、1957年12月8日に生まれたアメリカ合衆国出身の元プロレスマネージャーです。彼は主に1980年代後半から1990年代初頭にかけて、World Wrestling Federation（WWF）で活動し、特にヒールの黒人マネージャーとして強い印象を残しました。テキサス州フォートワースの出身であり、彼のユニークなスタイルとカリスマ性から「ドクター・オブ・スタイル」として知られています。

来歴

スリックは1985年にテキサス・オールスター・レスリングでマネージャーとしてのキャリアをスタートしました。彼はマッド・マックスとロード・ヒューマンガスのマネージャーを務め、以降はカンザスシティのNWAセントラル・ステーツ地区で活躍。その後、黒人ヒールであるブッチ・リードのマネージャーとし、リング上での抗争を指揮しました。1986年夏、リードがブルーザー・ブロディとの試合で敗れた後、彼と共にカンザスシティを離れ、WWFに移籍しました。

WWFでは、体調不良で引退を余儀なくされた伝説的なマネージャー、フレッド・ブラッシーの後任として登場しました。スリックは、ブラッシーが担当していたヒールレスラーたちを引き受け、ボビー・ヒーナンやジミー・ハートと共にWWFの重要な存在となりました。彼は特にファッショナブルなスタイルが目を引き、毎回新しいスーツと帽子で登場、キザなイメージを確立しました。

WWFでの活動

スリックは独特の話し方や表現を使いこなし、スタイルに合わせたラップやダンスも得意でした。代表的な入場テーマ「Jive Soul Bro.」では、彼自身がラップを歌い、生き生きとしたディスコダンスも披露しました。1988年から89年にかけては、ツイン・タワーズ（ビッグ・ボスマン＆アキーム）を率いてハルク・ホーガンとの抗争を繰り広げましたが、1990年からはパワー＆グローリーを結成し、タッグマッチ戦線に進出しました。

スリックはWWFでの活動を続けるも、1991年に一時的に離脱。しかし、1993年に新たな姿としてWWFに復帰し、「Reverend Slick」としてベビーフェイスのキャラクターを確立しました。この時彼は、かつての派手なスタイルを控え、内面的な成長を重視したキャラクターへと変更されました。彼はヒールキャラのカマラを教え導く役割を果たし、中立の立場で彼をサポートしました。

その後の活動

WWFを離れた後、スリックはバイブル・カレッジで学び、教会で牧師として活動を開始しました。2007年にはWWEにカムバックし、ジョン・シナや友人たちとの再会を果たしました。その後も地元のインディー団体での活動を続け、2010年にはWWEの特別番組で久々にダンスを披露。2012年には「Raw 1000」記念放送で結婚式の牧師役を演じ、再びファンを楽しませました。2016年にはWWEホール・オブ・フェイムに関連し、ビッグ・ボスマンのインダクターを務めました。

担当選手たち

スリックがマネージャーとして手掛けたレスラーには、マッド・マックスやロード・ヒューマンガス、ブッチ・リード、アイアン・シーク、ニコライ・ボルコフ、カマラなど多彩な選手がいます。彼のキャリアは、プロレス界における重要な名場面を数多く生み出しており、独自のスタイルは今でも語り草となっています。

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