ジミー・ハート

ジミー・ハート：プロレス界のカリスママネージャーと音楽家の二刀流

ジミー・ハート（本名：James Ray Hart、1944年1月1日 - ）は、アメリカ合衆国ミシシッピ州ジャクソン出身のプロレス・マネージャー、作曲家、そして歌手です。派手なコスチュームとメガホン、そして「南部のおしゃべり男（Mouth of the South）」というニックネームで知られ、1980～90年代のプロレスシーンを代表するヒール・マネージャーとして活躍しました。2005年にはWWE殿堂入りを果たすなど、プロレス界に多大な貢献をした人物です。

音楽からプロレスへ転身

ハートのキャリアは音楽界から始まりました。1963年、ロックバンド「ザ・ジェントリーズ」のメンバーとしてデビューし、1965年には「Keep on Dancing」で全米ビルボードチャート4位を記録するなど、人気を博しました。1970年代初頭までバンド活動に携わった後、プロレス界へと転身します。

転身のきっかけは、テネシー州メンフィスのレスラー兼プロモーターで、高校時代の同級生でもあったジェリー・ローラーとの出会いです。ローラーのレコーディングに参加したことがきっかけとなり、スカウトされ、マネージャーとしての道を歩み始めました。

メンフィスのCWA時代とジェリー・ローラーとの激闘

メンフィスのCWAでは、ヒール（悪役）のローラーをはじめ、ジミー・バリアント、ロン・バスなど、多くのレスラーをマネージメント。プロレスラーではないにも関わらず、タッグマッチに参戦するなど、積極的な活動を見せていました。やがて、フェイス（正義）に転向したローラーと抗争を始め、1982年にはアンディ・カウフマンを巻き込んだ抗争によって全国的な知名度を獲得します。

「ファースト・ファミリー」と呼ばれるユニットを結成し、テリー・ファンク、オックス・ベーカー、オースチン・アイドル、ポール・エラリング、エディ・ギルバート、ランディ・サベージ、リック・ルード、そして後のハルク・ホーガンなど、多くのヒールレスラーをマネージメント。ローラーの「The King（王様）」に対抗し、「The Wimp（弱虫）」というニックネームで、激しい抗争を繰り広げました。

WWFでの成功とベビーフェイス転向

1985年、WWF（現WWE）に移籍。キングコング・バンディなどを担当した後、特にタッグチームのマネージメントに力を入れ、数々のタッグチームを王者に導きました。CWA時代からの盟友であるホーガンとも良好な関係を築き、1990年代に入るとベビーフェイス（善玉）のマネージャーに転向。ホーガンとブルータス・ビーフケーキのタッグチーム「メガ・マニアックス」を担当し、1993年には同チームのマネージャーとして新日本プロレスにも来日しました。

また、音楽の才能を生かし、ホンキー・トンク・マン、テッド・デビアス、ダスティ・ローデス、ショーン・マイケルズなど、多くのレスラーの入場曲も作曲しました。

WWF、WCW、そしてTNAへ

ホーガンと共にWWFを離れ、1994年にはWCWに移籍。リングの外でもホーガンのマネージャーを務めました。WCW崩壊後は新団体XWFに参加しましたが、すぐに活動停止。その後はTNAに協力し、ホーガンをTNAに招こうとするなど、精力的に活動しました。2005年にはホーガンと共にWWE殿堂入りを果たしました。

殿堂入り後もTNAなどでマネージャーを務め、インディー団体やオールドタイマーのリユニオンイベントにも出場。2007年のレッスルマニア23ではカメオ出演、2008年にはジェリー・ローラーのトリビュートショーにも参加するなど、プロレス界に深く関わっています。2011年からはWWEのプロジェクトにも参加し、ハウスショーやサマースラムなどにも登場しています。

多くのスター選手を支えたマネージャー

ジミー・ハートは、ジェリー・ローラー、ハルク・ホーガン、アンディ・カウフマン、ランディ・サベージなど、数々のスターレスラーをマネージメントしました。その数は膨大で、ここでは全てを挙げることはできませんが、彼のマネージメントは、多くのレスラーの成功に貢献しました。彼の存在は、プロレスの歴史において欠かすことのできないものです。

まとめ

ジミー・ハートは、音楽家としての才能とプロレスマネージャーとしての卓越した手腕を併せ持つ稀有な存在です。派手なキャラクターとメガホン、そして数々の名選手との関わりを通して、プロレス界に大きな足跡を残しました。彼の功績は、これからも語り継がれることでしょう。

もう一度検索