ゼロハリバートン

ゼロハリバートン：宇宙からハリウッドまで、信頼と風格を刻むアタッシュケース

概要

ゼロハリバートンは、アルミニウム素材を主に使用したアタッシュケースやスーツケースなどを製造する、世界的に有名なブランドです。その名は、1969年のアポロ11号による月面着陸において、貴重な月の石を地球へ持ち帰るためのケース「月面採取標本格納器」を製造したことにより、世界中に知れ渡ることとなりました。NASAからの依頼により製造されたこのケースは、既存の製品をベースに若干の改良を加えただけのものだったにもかかわらず、その堅牢性と信頼性は、後に数々の逸話や伝説を生み出すことになります。

爆発テロの現場で、ケースの中身が無事であったという逸話や、ハリウッド女優のマレーネ・ディートリヒを始めとする著名人の愛用者、そしてアメリカ合衆国大統領専用の核兵器に関する機密情報が保管されているとされる「核のフットボール」にも使用されているという事実など、ゼロハリバートンの製品は、単なる鞄という枠を超えた存在感を示しています。

1946年からは、製品の補強を目的とした、ブランドのトレードマークである2本のプレスライン「ダブルリブ」がデザインに取り入れられました。当初はアルミニウムが主素材でしたが、現在ではポリカーボネートやナイロンなどの素材も使用され、さらに牛革を使用した高級小物シリーズ「ZCT（ゼロコンツアー）」も展開。2008年には創業70周年を記念し、著名デザイナーのティム・フェントン氏を招き、限定モデルを発表するなど、常に革新を追求し続けています。また、製品購入時のノベルティも人気を集めるなど、顧客満足度を高める取り組みも積極的に行われています。

歴史

ゼロハリバートンの歴史は、1938年、創業者であるアール・P・ハリバートンによって始まりました。油田産業にも携わっていたハリバートン氏は、砂漠地帯での作業中に鞄に入り込む砂埃に悩まされ、航空機エンジニアの協力を得て、アルミニウム合金を使用した頑丈な鞄の開発に着手。こうして誕生したケースは、たちまち高い評価を獲得し、ハリバートン・ケース社が設立されます。鞄の製造は当初、Zierold Company（ジロルド・カンパニー）社に委託されましたが、発音の簡略化のため、1946年にゼロ・コーポレーションへと改名。その後、1952年にハリバートン・ケース社がゼロ・コーポレーション傘下となり、1959年には社名を「ゼロハリバートン」に変更しました。

日本市場においては、株式会社大沢商会グループが正規代理店として長年販売を行っていましたが、2005年にエース株式会社が販売代理店として提携。2006年にはエース株式会社がゼロハリバートンの商標および販売権を買収し、グループ化しました。現在では、アメリカのゼロハリバートン社が運営の中心を担い、アメリカ・ソルトレイクシティの工場に加え、北海道赤平市などにも製造拠点を持ち、国内の百貨店や専門店で販売されています。

コラボレーション

ゼロハリバートンは、他社とのコラボレーションにも積極的に取り組んでおり、日立マクセル製のデジタルカメラやセイコーの腕時計など、様々な分野の製品とのダブルネームブランドを発表しています。これらのコラボレーション製品は、ゼロハリバートンのデザイン性と、他社の技術・ブランド力を融合させた、魅力的な製品となっています。ゼロハリバートンのブランドイメージと、コラボレーション先のブランドイメージが自然に調和した、洗練された製品群は、多くのコレクターを魅了し続けています。

ゼロハリバートンは、単なる鞄メーカーではなく、歴史と信頼、そして革新を体現するブランドです。これからも、その高い品質と洗練されたデザインで、世界中の人々を魅了し続けることでしょう。

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