ソ連地上軍

ソ連地上軍の歴史と構成

ソ連地上軍（ロシア語: Советская армия）は、1946年から1991年にかけて存在したソビエト連邦の陸軍の名称で、戦前は「赤軍」として知られていました。第二次世界大戦後、赤軍は500を超える狙撃師団を持ち、その戦力は広範囲にわたって再編成されました。特に、戦車部隊の重要性が認識され、戦車師団が中心的な役割を果たしました。

戦後の再編成

戦争の終結後、ソ連は戦車部隊の数をほぼ維持し、歩兵の戦力を削減しました。例えば、1946年には地上軍の人員が982万2000人から244万4000人に減少しました。この時期、ソ連軍の編成は狙撃師団から自動車化狙撃師団へと変更され、戦力の効率的な運用が模索されました。1946年3月には地上総司令が設立されましたが、その後数度にわたり解散と再編成を繰り返しました。

スターリン体制下の1946年、ゲオルギー・ジューコフが初代司令官に任命された後、彼はその後イワン・コーネフに交代します。ソ連地上軍は1950年までこの体制のもとで運用されました。この時期、朝鮮戦争の影響もあり、軍の構成や人員について大きな変化が求められました。

冷戦時代の展開

冷戦が進行する中、ソ連地上軍は東欧諸国における地政学的優位性を維持するための重要な要素となりました。1945年から1948年にかけては、東欧の親ソ政権を守るため、赤軍は配置を維持しました。さらに、ソ連は中華人民共和国に対する影響力を強化しつつ、冷戦の際に様々な軍事的対策を講じました。

1967年には冷戦の終わりが見え始めるものの、ソ連軍の編成と徴兵制度は依然として重要視されていました。冷戦期間中、戦力はおおよそ280万から530万と見積もられ、多くの師団が即応状態で維持されていました。しかし、実際に完全に戦闘準備が整った部隊は少なかったものの、ソ連は核兵器戦略を強調して軍を強化していきました。

経済の変化と軍の縮小

1985年から1991年にかけて、ミハイル・ゴルバチョフがソ連経済の再建策を打ち出し、地上軍の規模を縮小しました。これに伴いアフガニスタンからの撤退も進められ、戦力の再編成が行われました。しかし、1991年のクーデターの後、多くの陸軍将校は新しい政権に従わなかったとされています。結果として、ソビエト連邦は1991年に解体し、それに伴いソ連軍も解体されました。

ソ連軍の解体とその後

解体の過程で、元ソ連の各共和国はそれぞれの国軍を形成し、部隊の帰属が変更されました。ロシア出身の部隊は「ロシア陸軍」の一部となり、カザフスタンや他の共和国出身の部隊もそれに従いました。最終的に、1992年までには多くの部隊が解散され、東欧やバルト諸国からの撤退が進行しました。これにより、新生ロシア連邦が誕生し、ロシア陸軍の再編成が行われることとなりました。

このように、ソ連地上軍の歴史は多くの政治的変動と地政学的な影響を受けながら、数十年に渡って展開されてきたものです。

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