ダカール

ダカール市の概要

ダカール（Dakar）は、アフリカ大陸の西端に位置するセネガルの首都であり、同時にダカール州の州都でもあります。この都市は、重要な港湾都市として知られており、特に大西洋横断貿易において重要な役割を果たしています。ダカールの人口は2004年の時点で約209万人であり、この地域の商業の中心地として、コートジボワールのアビジャンと並んで西アフリカでは重要な都市のひとつです。また、ダカールは昔ながらのパリ-ダカール・ラリーの終着地点としても広く知られています。

歴史

ダカールの歴史は、16世紀から19世紀にかけての奴隷貿易にさかのぼります。当時、ダカールは大西洋を横断する奴隷の集積地となり、アフリカ本土から西半球への移送が行われていました。この期間に運ばれた奴隷の数は、他の港町に比べても桁外れであり、ゴレ島のエストレー要塞に集められた後、船に積み込まれました。現在、このエストレー要塞は博物館として一般に公開されています。

19世紀以降、ダカールはフランスの植民地支配を受け、1902年に仏領西アフリカの首都がサンルイからダカールに変更されました。第二次世界大戦中には、フランスのヴィシー政府に忠誠を誓ったため、自由フランス軍による攻撃を受けたこともあります。戦後、1959年から短期間の間にマリ連邦の首都として機能した後、セネガルの首都となり現在に至ります。

地理と気候

ダカールは温暖な気候に恵まれており、ケッペンの分類によるとステップ気候（BSh）に位置づけられています。雨季は短いものの、長い乾季が特徴で、年間を通じての平均降水量は約540mmです。ダカールの位置は大西洋に突き出た半島であり、海風に冷やされるため、他の内陸都市に比べて比較的過ごしやすい気候となっています。都市は半島の南端に集中しており、政治と商業の中心を形成しています。特に南側は天然の良港を持つことから、多くの商船が拠点を置いています。

経済

ダカールは西アフリカ商業の中心地としての地位も有しており、西アフリカ諸国中央銀行（BCEAO）の本部がここに位置しています。また、市内の目抜き通りにはサンダガ市場、ケルメル市場、スンベジュンといった大規模な市場があるため、さまざまな商品の取引が行われています。

行政区

行政的にはダカール市は郡（Arrondissement）と19の区（Commune d'arrondissement）に分かれています。それぞれの区は独自の特性を持ち、地域ごとの文化や経済活動が見られます。

交通

ダカールの交通機関は、カール・ラピッドという乗り合いバスやセットプラースと呼ばれる乗り合いタクシーが主流です。また、タンカーかタクシーを利用することも一般的です。さらには、地域の交通を支えるために、ダカール港やダカール・ニジェール鉄道の始発駅も重要な役割を担っています。2017年に新国際空港が開港し、多くの国際線が発着しています。

文化と未来

2026年にはダカールで夏季ユース五輪が開催される予定で、これはアフリカ大陸で初めてのオリンピックに関連するイベントです。

ダカールはこのように歴史的、地理的、経済的な要素が交わる特異な都市であり、今後の発展が期待されています。

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