トニーニョ・セレーゾ

トニーニョ・セレーゾ

トニーニョ・セレーゾ、正式にはアントニオ・カルロス・セレーゾ（1955年4月21日生まれ）は、ブラジルのミナスジェライス州ベロオリゾンテ出身の元サッカー選手であり、現在は指導者として活動しています。彼は主にミッドフィールダーとしてプレーし、特にボランチとしての役割で知られています。セレーゾはブラジル代表の一員として1978年と1982年のワールドカップに出場しましたが、1986年の大会には負傷により参加できませんでした。

現役時代の経歴

セレーゾはその選手キャリアの初期をブラジルのアトレチコ・ミネイロで過ごし、その後約10年間にわたって活躍しました。彼の持ち味は、強力なフィジカルと的確なパスであり、1978年のアルゼンチンワールドカップではブラジルが3位になった際の中心選手として貢献しました。1982年のスペインワールドカップでは、セレーゾが起点となるプレーが注目されましたが、イタリアに敗れ、同大会ではミスパスから失点を許す一因となりました。

その後、彼はイタリアのセリエAに進出し、ASローマに加入します。ローマでは、同じくブラジル代表のファルカンやイタリアのブルーノ・コンティらとともにプレーし、1983-84シーズンにはコッパ・イタリア優勝に貢献しました。この年のUEFAチャンピオンズカップ決勝では、リヴァプールに敗れましたが、ローマのサポーターからの感謝の声が印象に残ったとのことです。セレーゾはその後もサンプドリアといった強豪クラブでもプレーし、チーム初のセリエA制覇やカップウィナーズカップ獲得など、数多くのタイトルを手にしました。

指導者としてのキャリア

選手としての成功を収めた後、セレーゾは指導者としても頭角を現しました。1999年にはECヴィトーリアの監督に就任し、当時の2部チームを州選手権で優勝に導きました。2000年からは鹿島アントラーズの監督に就任し、Jリーグ初の年間3冠（リーグ、ナビスコカップ、天皇杯）を達成しました。在任中には合計5つのタイトルを獲得し、日本サッカー界に大きな足跡を残しました。

その後もシーズンごとに多くのチームを指導する経験を積み、海外でもジャパンスタイルを広める役割を果たしました。ただし、成績不振やフロントとの対立で解任されることもありました。近年では、古巣の鹿島アントラーズに復帰し、数々の試合での名勝負を築くなど、名指導者としての実績を重んじています。

プライベートと人間性

セレーゾはトレードマークとして長い口ひげを持っていて、これが彼の愛称の由来でもあります。息子はトランスジェンダーのファッションモデルとしても活躍しており、セレーゾの家族についての興味も多くの人に知られています。また、彼は長い間、セレッソ大阪というクラブ名の由来が自身の名前であると信じていたエピソードもあります。

トニーニョ・セレーゾは、多くのタイトルを獲得した選手であり指導者としても功績を残しています。彼のサッカーに対する情熱や、選手・指導者としての経験は、これからの世代にとって大きな示唆に満ちています。

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