トロツキズム

トロツキズムの概念

トロツキズム又はトロツキー主義は、レフ・トロツキーが主張したマルクス主義および共産主義の革命理論です。この思想を支持する人々はトロツキストと呼ばれています。最初はボリシェヴィキ・レーニン主義と呼ばれていたトロツキズムですが、スターリンによる批判を受け、自らその名を冠するようになりました。代表的な国際組織には第四インターナショナルがあり、世界的な左翼運動の一環として活動しています。

トロツキーの基本思想

トロツキズムは、いくつかの主要な柱に基づいています。第一に、社会主義の実現にはプロレタリアートの前衛党が必要であり、労働者大衆の要求に応じた過渡的綱領を掲げることが重要とされます。これに関して、トロツキーは一時期レーニンと意見が対立しましたが、最終的には「パン・土地・平和」というスローガンがロシア革命で採用されました。

第二に、トロツキズムは永続革命論の立場を取ります。これは、一国の社会主義建設が不可能であり、国際的な革命が必要であるとする考え方です。スターリンが提唱した一国社会主義に対しては、官僚制に基づく特権が生じる危険があると指摘されました。このため、トロツキズムは世界革命を通じて社会主義を実現することを強調します。

第三に、トロツキストは労働者階級の統一戦線の形成を重視し、異なる政治的立場をも包括したうえで、最終的に労働者階級が権力を掌握すべきと考えます。この中で、プロレタリア民主主義によるソビエト権力を基盤にした社会主義の実現が目指されています。また、トロツキズムの支持者は、非政権共産党も革命の一潮流と認め、意見の相違があっても連携するべきとしています。

ブルジョアとの闘争

トロツキズムは資本家階級の搾取を排除する社会の構築を目指しています。このため、資本主義と帝国主義に対抗するために、労働者階級や被抑圧民族の国際連帯を築く努力が求められます。社会主義建設のための単一の国際組織の重要性も強調されています。

「トロツキスト」としてのレッテル

トロツキストという用語は、しばしば悪社にされ、共産党からは反逆者としてカテゴライズされてきました。特にスターリン時代には、トロツキーに関連する思想や運動は厳しく取り締まられました。この時期、共産主義者の代名詞として「トロツキスト」が用いられ、様々な団体がこのレッテルを受けました。スペイン内戦でのマルクス主義統一労働者党（POUM）に対しても、彼らの運動は「トロツキスト」とされ、抹殺された経緯があります。

ネオコンとの関係

近年の議論では、アメリカの新保守主義（ネオコン）がトロツキストから派生したという説が存在します。これは、ネオコンの創始者がかつてトロツキストであったことと、共通の理想を追求する姿勢が根拠とされていますが、この議論には異論も多くあります。

まとめ

このようにトロツキズムはレフ・トロツキーの思想に基づいた革命理論であり、国際的な社会主義の実現を目指すものです。その過程には数々の困難が伴いますが、トロツキストたちはその理想を追求する姿勢を崩さず、多様な運動や団体に影響を与え続けています。

もう一度検索